■第一印象アップ・身だしなみのマナー
『人は見た目が9割』。以前、そんな本がヒットしましたが、まさにその通り、見た目というのは想像以上に、人の第一印象を左右します。そのひとつが身だしなみ。特に付き合いの浅い相手であれば、服装や着こなし、髪型や持ち物など、外見で判断されることも少なくありません。最近はカジュアルスタイルをよしとする職場も増えていますが、とはいえ、最低限の基本ルールは理解しておくべき。
たとえば、こんなことやっていませんか?
【ケース1】
春先や秋口、少し肌寒いときはスーツの下にセーターをイン。
これって Good? or Bad?
Bad!
何がいけないの? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。スーツの下にニット、はミスマッチ。一般的なビジネスシーンにおいて、スーツの下にはシャツ+ネクタイだけと心得ましょう。ですから、基本的にはBad! です。
とはいえ、これは働いている会社の社風や方針によっても違いますし、上司や先輩がそれをよしとするか否かも関係します。会社や上司がオッケーなら「Good!」となります。
もし、春先や秋口など季節の変わり目で、どうしても寒いのなら、薄手のコートを羽織るか、セーターは行き帰りにだけ着用し、会社内では脱ぐのがスマートだと思いますね。シャツの下に透けにくい保温性インナーを着用するのも一案です。
スーツはビジネスマンの戦闘服。相手に清潔感を感じてもらい、信頼を得るために最もふさわしいのは無地のスーツです。ハッキリと白や赤などのラインが入っているストライプのスーツはおしゃれですが、様々な年齢や立場の人と関わるビジネスシーンには不向きといえます。安心感や上品さを演出するならやはり無地がベター。色は黒、濃紺、ダークグレー、2つボタンのシングルスーツが無難です。
いまどき、そんな前時代的な、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大事なのは、このベーシックスタイルを理解しておくこと。そのうえで、状況などにあわせて、アレンジしていけばいいのです。
■ケース2
スーツ下のシャツが、ボタンダウン or カラーシャツ。
これって Good? or Bad?
Bad!
ボタンダウンシャツは、本来、カジュアルなシャツです。カラーシャツも同様。
スーツはドレススタイルのひとつですから、本来であれば、白いレギュラーカラーのワイシャツをあわせるのがビジネスマナーの定番です。とはいえ、前述のように、それがOKという会社もありますし、気にしないよ、という上司であれば、カジュアルシャツでも問題なし、ということになります。今一度、上司や先輩に伺ってみると良いでしょう。カジュアルデーやクールビズを推奨する職場であれば、ノーネクタイ+ボタンダウンシャツ、綿ジャケット、というようなスタイルがむしろ、会社の意向に合っていると言えますね。
とはいえ、例えば上司と一緒に取引先を訪問するとします。上司がきちんとしたスーツスタイルで、スタンダードなシャツ+ネクタイを合わせているのに、部下がカジュアルシャツでは、取引先だけでなく、上司に対しても失礼といえます。目上である上司や先輩に同行する場合などは、彼らに恥をかかせないことも大切。自分はおしゃれをして格好よければいい、という自己中心的な考えからなる行動は、それこそ、Bad! マナーです。
本来、マナーというのは、相手中心、相手を優先に考えるもの。目上の人がきちんとしたスーツスタイルなのに、若手がカジュアルな格好では、取引先から上司の指導力を疑われ、信頼が薄れる可能性もあります。
相手やシチュエーションにあわせて、カジュアルスタイルもありですが、それはあくまで基本を知ったうえでのこと。正しい服装の知識を身につけてはじめて、ドレスダウンも可能になるのです。
また、自社がカジュアルデーやクールビズを取り入れているからといって、訪問先も同様とは限りません。相手先の会社や担当者に失礼のないよう、ジャケットやネクタイは着用しているほうが無難です。もちろん、これも同行する自社の人と足並みをそろえてくださいね。