(6)顔認証機能「Face ID」を新搭載
Touch IDが使えなくなった代わりに、顔認証機能「Face ID」が搭載されました。登録方法はTouch IDとほぼ同様。インカメラを活用して、顔を2回登録します。
Androidの顔認証と異なるのは、正面の表情だけでなく、立体的な情報が登録されるという点。首をぐるっと回しながら、ユーザーの顔を立体的に認識させます。赤外線も活用しているので、暗所でも問題なく使用できるとのこと。また、A11 Bionicチップのニューラルネットワークによって、メガネの有無や髪型、帽子などの影響を受けずに使用できるそうです。
実際に画面ロック状態で、端末に顔を向けると、一瞬でカギのアイコンが解錠されました。実用上の問題はなさそうです。画面ロック解除の際、指紋が認証されずにイライラすることは、もうなくなるでしょう。
(7)インカメラの新機能は遊び心たっぷり
先ほどのFace IDは、「TrueDepthカメラ」というシステムにより、顔の立体的な情報を取得していました。これと同じ原理で、幾つかの新機能が利用できるようになっています。
まず、「メッセージ」では、絵文字(Emoji)ならぬ「Animoji」という機能が登場しました。キャラクターのスタンプがアニメーションとして動くというものですが、なんとユーザーの顔の動きをそのまま反映できます。つまり、ニコニコしたり、驚いたりといったリアクションを反映しながらボイスメッセージを送信できるわけです。
また、サードパーティ製アプリでは「Snapchat」のマスク風スタンプが紹介されました。顔の凹凸に合わせてぴったりと張り付く様な合成が行えるのが特徴です。
立体的な情報を把握しているので、顔横に向けてもスタンプがずれることはありません。非常に生々しい感じがしました。
(8)ポートレイトライティングが利用可能
iPhone Xのアウトカメラは縦方向の2つのレンズが並んでいます。解像度はそれぞれ1200万画素。どちらも光学手振れ補正をサポートしました。F値は広角が1.8、望遠が2.4。望遠カメラとデジタルズームと組み合わせて最大10倍のズームをサポートする点は、従来の7 Plusと同様です。
iPhone 8 Plusのレポートでもご紹介しましたが、iPhone Xでも進化したポートレイトモードを使えます。具体的には、β版という扱いで「ポートレイトライティング」機能が新搭載され、撮影時または撮影後の編集で、ライティングのエフェクトを追加できます。
また、iPhone Xでは、TrueDepthカメラ(インカメラ)でもポートレイトライティングが利用できます。
動画撮影に関しては、4K・60fpsの高画質動画や、1080p・240fpsのスローモーション動画などを楽しめることがポイントです。
(9)AR機能はもちろん使える
カメラに関連することでは、ARにも触れておきたいころ。iPhone X限定の機能というわけではありませんが、レンズ越しに様々な空想世界が広がります。
タッチアンドトライ会場のデモでは、「Freeblade」というアクションゲームを体験。机の上にロボットが登場し、空を飛び回る鳥型の敵と対戦しました。
「ARの何がすごいのか」という疑問を持つ人も多いでしょうが、実際に存在する机の上にぴったり張り付く様にキャラクターが表示されています。端末の向きや位置を変えることで、見え方も変わってきます。例えば、ロボットを真上から見下ろすことも可能なわけです。よく見るとリアルな影の描写もされているのが驚きですね。
(11)ワイヤレス充電に対応
iPhone 8/8 Plusと同じく、iPhone Xもワイヤレス充電に対応しました。Lightningケーブルをささずとも、充電マットの上に乗せるだけで、チャージされます。
ワイヤレス充電の規格は「Qi(チー)」をサポートしています。そのため、専用の充電器が必要というわけではなく、規格に対応しているアクセサリーは使用可能。カフェや空港などに設置された公共のワイヤレス充電スポットも利用できるようになります。
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11万円越えの価格に迷う人も多いでしょうが、国内の大手キャリアではすでに48回払いなど、長期の割賦支払いプランも登場している模様。まさに機種変更のタイミングを迎えているという人は、長期利用を前提に、最先端をiPhoneを狙ってみてはいかがでしょうか。
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。