“ポスト・ミニバン”を狙う3列シートSUV!マツダ「CX-8」は全方位性能に妥協なし

凛々しい顔つき、サイドの伸びやかなラインなど、最新マツダ車の特徴である“魂動デザイン”を採用したCX-8。そのボディサイズは、全長4900mm、全幅1840mm、全高1730mmで、マツダの日本市場向け乗用車としては最大のサイズです。2列シート仕様のCX-5は、それぞれ4545mm、1840mm、1690mmですから、CX-8はCX-5と比べ、全長で355mm、全高で30mm拡大されているわけですね。

ちなみにマツダは、輸出向けに3列シート車の「CX-9」をラインナップしていますが、こちらはそれぞれ5075mm、1969mm、1747mm(オーストラリア仕様)。CX-8はそれよりもひと回り小さいのですが、実はCX-8とCX-9のホイールベースは、2930mmで共通。この数値からもお分かりのとおり、CX-8は車幅こそCX-9比で約130mm狭くなっていますが、前後方向はCX-9とほぼ変わらない居住性が確保されているのです。

シートレイアウトは、グレードによって設定が異なります。ベースグレードの「XD」と中間仕様の「XD プロアクティブ」は、セカンドシートに左右独立のキャプテンシートを採用した6名乗りと、3名掛けベンチタイプの7名乗りとを用意。

一方、最上級グレード「XD Lパッケージ」のセカンドシートは、キャプテンシート仕様の6名乗りのみとなります。

XD Lパッケージは最上級グレードだけあって、セカンドシート中央に大型コンソールが備わり、くつろいだ姿勢をとれる大型アームレストも用意されます。

開発陣によると、フロントシートは誰もが適切なドライビングポジションを採れるよう考慮されており、身長189cmの大柄な人までカバーすることを想定しているのだとか。

セカンドシートは大人がゆったりくつろげる空間づくりを目指したそうで、こちらも身長186cmの人が乗ることまで検討しているのだそうです。そしてサードシートは、170cm程度の大人が不快に感じることなく、短中距離を移動できるような空間をつくり上げたということです。

筆者は身長182cmと、サードシートの想定乗員よりも大柄ですが、実際にすべての席に腰掛けてみたところ、フロント、セカンドの各シートはレッグスペース、ヘッドスペースとも十分なゆとりがありました。そして気になるサードシートも、確かに足もと、頭上ともにスペースが有り余るほどではありませんが、ルーフに髪は触れませんし、ヒザもセカンドシートの背もたれにぶつかることはありません。

そして、サードシートに関してもうひとつ、「巧みだな!」と感じさせてくれたのが、乗員の腕まわりの形状です。タイヤハウス上部にアームレスト兼ドリンクホルダーを設け、サイドウインドウ上部のラインに沿ってくり抜くようなカタチに仕上げてあるため、ヒジの置き場に困ることがありません。もちろん、ミニバンやラージサイズSUVのように広々としたサードシートではありませんが、着座姿勢は自然で、身長170cm前後の人であれば、息苦しさを感じることはなさそうです。

ラゲッジスペースはというと、サードシート使用時で239L、サードシートを倒すと572Lの容量を確保。4~5名乗車時は、各自の中型から大型のスーツケースを積み込むことができそうです。

またセカンドシートまで倒すと、荷室長を2080mmまで拡大できるので、MTBやテントといったかさ張るアウトドア用品も楽に積載できます。

一方、インテリアの見どころとして忘れてならないのが、マテリアルやその質感でしょう。インパネやシートなどの意匠は、一見するとCX-5と同じに見えますが、ディテールが変更されているのです。

さらに最上級グレードのXD Lパッケージでは、ドアトリムやインパネのデコレーションパネルに、リアルウッドを素材とする“本杢(ほんもく)”加飾を採用。また、一般的な革よりも柔らかくてしなやかな“ナッパレザー”製のシート表皮には、さらにソフトな手触りにこだわった表面処理を行うなど、質感を重視した仕上げが随所に施されています。

【次ページ】パワーアップしたマツダ自慢のSKYACTIV-Dを搭載

この記事のタイトルとURLをコピーする