新型ジュリアは、4ドアのセダン。流麗なボディラインはクーペ的で、「ジュリアはやっぱりセダンじゃなきゃね」という原理主義者も、「やっぱりクーペだよ」というGT派も、納得できるデザインではないでしょうか?
エアインテークを兼ねた存在感を強い盾型グリルも、迫力あるライト下の開口部も、走りの良さを予感させてくれる意匠。盾型グリルを採用するために、ナンバープレートの位置がオフセットされているのも“らしい”ですね。
実は、アルファロメオがセダンを発売するのは、2011年に生産を終えた「159」以来のこと。しかも新型ジュリアは、FR(後輪駆動)レイアウトを基本としているので、FRのアルファセダンとなると、1993年に生産終了した「75」以来となります。
新しいジュリアに用意されるグレードは、全4種類。スタンダードな「ジュリア」、ラグジュアリーグレードの「スーパー」、フルタイム4WDを採用するスポーティグレード「ヴェローチェ」、そして、ハイエンドモデル「クアドリフォリオ」です。価格は、ジュリアが446万円(ただし受注生産)、スーパーは543万円、ヴェローチェは597万円、クアドリフォリオは1132万円となります。
ジュリア、スーパー、ヴェローチェのエンジンは、アルミブロック製の2リッター直4ターボで、ジュリアとスーパーは200馬力、高出力版を積むヴェローチェは280馬力を発生します。
そして、クワドリフォリオには、2.9リッターのV6ツインターボを搭載。510馬力という圧倒的パフォーマンスを誇ります。ちなみに日本仕様のトランスミッションは、すべて8速ATです。
久々のFRモデルだけに、シャーシはもちろん新設計。アルミやカーボンといった軽量素材が多用され、1590kgからという車重を実現しています。そして、軽さはもちろん、前後の重量配分にも配慮しているのが、アルファロメオらしいところ。50:50の前後重量配分は、同ブランドの走行フィールを創り上げる特質のひとつとされ、ジュリアでも徹底して磨き上げられています。
近年、標準的な装備となりつつある自動ブレーキなどの安全装備も抜かりなし。自動緊急ブレーキ(AEB)のほか、歩行者検知機能付きの前面衝突警報(FCW)、そして、スーパー以上のグレードには、アダプティブクルーズコントロールやブラインドスポットモニター(BSM)も搭載されています。
アルファロメオの伝統に則ったデザインと、ドライバーを重視したコックピット。そして、卓越した走りを実現した新しいジュリア。日本発売を心待ちにしていたイタリア車ファンも、そうでない人も、気になる1台ではないでしょうか。
(文/増谷茂樹)
[関連記事]
【アルファ 4C スパイダー試乗】レースカーも真っ青!?走りの刺激、強すぎです!
【アバルト 124スパイダー試乗】広島生まれだけど、見た目も走りもしっかりイタリア車!
【500C試乗】フィアットの“顔”が進化。ドライブが最高に楽しい!
- 1
- 2