■「Clova WAVE」は何ができるのか
まず、商品名について。先行体験版では「WAVE」と呼称されていましたが、正式版では先頭にClovaが加わり、「Clova WAVE」となります。
会場では、取締役 CSMO・兼Clova事業責任者の舛田淳氏が登壇。同氏は、冒頭で「ポストスマートフォンの時代に入ろうとしている。全てのものがインターネットにつながり、AIで最適化される時代だろうと考えている。インターフェイスにも変化が起こり、GUI(タッチ操作)からVUI(音声操作)へと移っていく」と述べたのち、製品のプレゼンを開始しました。
スピーカー機能については、LINE MUSICとの連携が強み。楽曲やアーティストを指名して再生することができ、流行っている曲をかけてといえば、新曲のヒットチャートが再生されます。「この楽曲名はなに?」と聞けば、曲名やアーティスト名を教えてくれます。
また、雰囲気にあった楽曲を再生したり、視聴履歴に基づいたレコメンドも可能。先行体験版には無かった機能としては、新たにプレイリストをスマホから確認できるようになります。
「radiko.jp」も数週間でサポートする予定。ラジオも聴けるようになります。
赤外線コントローラーに対応するTVリモコン機能などを利用できることをメリット。エアコンなどの家電も「つけて/消して」といった音声操作が行えます。
読み上げ機能としては、ニュースの読み上げをサポート。ダイジェストから、その日の最新のニュース5本紹介する仕様となります。スポーツ、エンタメ、経済など、カテゴリを指定することも可能です。また、当日の天気を確認したり、登録したユーザーの生年月日を基にした「占い」も楽しめます。そのほか、人物辞典、百科辞典のデータベースと連携しているので、さまざまな情報を検索可能。
体験版にも、時計・アラーム機能が搭載されていましたが、正式版ではさらにタイマー、音声メモ、カレンダー、スケジュールも実装されます。また、複数の情報をまとめて通知するブリーフィング機能を実装予定です。
■「Clova」と呼ぶのは最初の1回だけでOK
舛田氏によると「Clova WAVEは、一言でいうと喋るスピーカーである」といいます。会話をしたいというニーズが多かったとし、Clova WAVEとより自然に話せるよう、音声認識レベルなどを高めたとのこと。
具体的には、「Clova、〜」と最初に声をかければ、以降は普通に会話が可能となります。「Clova、〜」と何度も声をかける必要はありません。
■新たに「家族アカウント」も導入
新たに「LINE家族アカウント」が導入されます。これはリビングでプライベートアカウントに届いたメッセージが読み上げられると、プライバシー的に良くない、という問題に対処したもの。
作成したアカウントからユーザーを招待することで、初めてそのアカウントがWAVEで使えるようになります。
具体的には「Clova、ママにLINE送って」「ケチャップどこ?」と話すと、母親宛にLINEでメッセージが送られる例が紹介されていました。
■アップデートは引き続き行っていく
舛田氏は、「スマートスピーカーの本質は、買ってからも成長することにある」と述べます。「利用動向などのビッグデータを学習して品質が向上し、パートナーに協力いただいて、機能も増えていくだろう」とのこと。
先行体験版が発売されたあと、既に子どもの声を学習している事などが例として挙げられました。また、ノイズキャンセルなど、小さな学習、チューニングの積み重ねで、コツコツと成長しているといいます。
今後も、声紋で話者を認識できるようになるなど、続々とアップデートが実施される見込みです。目立つ所では、翻訳機能も1〜2ヶ月くらいで実装される予定。そのほか、経路・運行情報、フードデリバリー、日用品のショッピング、童話朗読、タクシー手配などの機能も準備を進めているとのことでした。
■キャンペーンでLINE MUSICが1年無料になり本体も1200円安くなる
繰り返しとなりますが、Clova WAVE(正式版)は10月5日17時より販売開始となります。価格は1万4000円です。
販路はひとまず、公式サイトのほか「Amazon.co.jp」「楽天」といったECサイトで展開。その後10月末〜11月頭を目処に家電量販店でも販売する見込みです。
そして、注目しておきたいのは、キャンペーンとして、LINE MUSIC(12か月分)とのセット販売を実施すること。
LINE MUSICの料金を含み、価格は1万2800円。本体のみの購入よりも割安になるので、購入時には、こちらを選択することをおすすめします。
>> 「Clova」
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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