■「着る」ウエアラブルは型が定まってきた
ウエアアラブルでもうひとつ大きなジャンルを挙げるとすると、服として「着る」商品が存在します。
こうした商品の基本的な構造は共通していて、みぞおちに相当する部分にデバイスがあり、衣服に忍ばせたセンサーからの情報を解析するというもの。それをタブレットないしパソコンへと送信するわけです。
デバイスと衣服は金属のボタンでカチッとはめ込んで取り付けます。洗濯時には取り外す仕様。
こうした商品では、呼吸や心拍数、筋肉の動きなどを測定可能。スポーツはもちろん、医療分野、見守り用途での活用などを中心に、さまざまな分野での応用を模索している段階です。
例えば、東洋紡では、馬の健康をモニターしたり、眠気感知システムに利用したりするシステムを開発済み。
どの商品も、(胸部のデバイス以外は)野暮ったさがあまり感じられないデザインです。特にスポーツ分野では、抵抗なく着用できる人も多いと思うので、こうした衣類を何気なく着用する未来も近いかもしれません。
一方で、一見しただけでは各社の商品の差が分かりづらいのも事実。製品自体は洗練されてきた印象があるので、あとはキラーコンテンツが欲しいところでしょうか。
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劇的な変化こそまだありませんが、少しずつ実用性を帯びてきたウエアラブルデバイス。いまのところ、B to Bを中心に展開する商品が多い印象ですが、将来的には私たちの生活において、より身近な存在になるかもしれません。
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。