時計型が減りメガネ型が増加!「ウェアラブルEXPO」で見えた最新トレンド

■「着る」ウエアラブルは型が定まってきた

ウエアアラブルでもうひとつ大きなジャンルを挙げるとすると、服として「着る」商品が存在します。

▲ミツフジが展示していた「hamon」。心電、心拍、活動量といった生体情報をモニタリングできる。胸部のトランスミッターからスマホへと情報が送信される

こうした商品の基本的な構造は共通していて、みぞおちに相当する部分にデバイスがあり、衣服に忍ばせたセンサーからの情報を解析するというもの。それをタブレットないしパソコンへと送信するわけです。

▲ユニオンツールが提供する心拍センサーの裏側。ボタンで衣類と接続するようになっている

デバイスと衣服は金属のボタンでカチッとはめ込んで取り付けます。洗濯時には取り外す仕様。

▲東洋紡が展示するフィルム状の機能性素材「COCOMI(心美)」を活用した衣類。開発は2015年頃から行っている。今年は呼吸や心電位、筋電図などを測定できるバリエーションや、活用事例を紹介

こうした商品では、呼吸や心拍数、筋肉の動きなどを測定可能。スポーツはもちろん、医療分野、見守り用途での活用などを中心に、さまざまな分野での応用を模索している段階です。

例えば、東洋紡では、馬の健康をモニターしたり、眠気感知システムに利用したりするシステムを開発済み。

▲米Du Pont(デュポン)が展示していた製品群。開発期間は約5年。インク状の電極をフィルム状に印刷し、布へと転写する技術を持つ

どの商品も、(胸部のデバイス以外は)野暮ったさがあまり感じられないデザインです。特にスポーツ分野では、抵抗なく着用できる人も多いと思うので、こうした衣類を何気なく着用する未来も近いかもしれません。

一方で、一見しただけでは各社の商品の差が分かりづらいのも事実。製品自体は洗練されてきた印象があるので、あとはキラーコンテンツが欲しいところでしょうか。

▲クラボウ(倉敷紡績株式会社)のスマート衣料「Smartfit」は工事現場の熱中症対策を想定して開発された。将来的には、体温を検知してエアコンと連携するまでを実現しようとしている

 

*  *  *

劇的な変化こそまだありませんが、少しずつ実用性を帯びてきたウエアラブルデバイス。いまのところ、B to Bを中心に展開する商品が多い印象ですが、将来的には私たちの生活において、より身近な存在になるかもしれません。

 


[関連記事]
ストレスまで分かるウエアラブル端末に電子マネー機能が追加!

今どんな姿勢してる?「スマホ首」はウエアラブルで矯正しよう!

ウエアラブルで目指せ100PAI!というかPAIって何!?


(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター

いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする