ゴルフGTEのスタイリング、それは、スポーティなハッチバックカー=ホットハッチの代名詞「ゴルフGTI」に準じたもの。ただし、GTIがアクセントカラーとして赤を随所に散りばめているのに対し、GTEのそれはブルー。ボディ内外に使われています。
注目のハイブリッドシステムですが、エンジンは、フォルクスワーゲンではお馴染みのTSIユニットこと、1.4リッター直列4気筒ターボ(150馬力/25.5kg-m)で、そこに、109馬力を発生する電気モーターをプラス。ちなみにモーターは、デュアルクラッチ式のギヤボックス、6速DSGの中に組み込まれます。
このモーターは、スターターとして、また、減速時にエネルギーを回収する回生時には、オルタネーターとしても機能します。ちょっと面白いのが、シフトレバーを動かすことで、回生の強弱を2段階に切り替えられること。“強”では、必要に応じてブレーキランプが点灯します。
シフトレバー横の“GTEボタン”を押すと、ゴルフGTEの性格は一変。エンジン、ギヤボックス、アクセル&ステアリングレスポンス、そしてエンジンサウンドまでもが、スポーツモードへと切り替わります。
そして、ギヤボックス内の電気モーターは、いわばブースターとしてGTEの加速をサポート。発表会で登壇したスヴェン・シュタイン社長は、「ゴルフGTEは、ジギルとハイドのようにふたつの顔を持ったクルマです」と表現していましたが、う〜ん、ドライブが楽しそう!
モーターの動力源であるリチウムイオンバッテリーは、荷室の下に置かれます。バッテリー容量は8.7kWh。ノーズのVWマークを開けると、充電ソケットが顔を見せます。満充電に要する時間は、200Vの家庭用電源で約3時間。
一般的に、EV(電気自動車)は低速域での加速力に優れますが、モーターの性質上、高速巡航は苦手なもの。でも、ゴルフGTEは130km/hまでモーターで走行できます。わが国では、十分な高速性能ですね!
気になる航続距離は53.1km。それ以上走る時は? もちろん、自動的にハイブリッドモードに切り替わります。通常のハイブリッドモードのほか、走行中に充電レベルが一定レベル以下になると、自動でバッテリージャージモードに切り替わる機能が備わります。
そうした状況は、インフォテイメントシステム“Discover Pro”でチェックできます。具体的には、センターコンソール内の液晶画面に、EVとしての走行可能距離、ハイブリッド走行時にはエネルギーフローなどが表示されます。
2015年11月からは、GTEオーナー向けに「Car-Net e-Remote」というサービスが提供される予定です。専用のアプリケーションをインストールすることで、手持ちのPC、スマートフォンなどから、バッテリーの充電予約やエアコン設定(乗車前に空調を効かせる)などを行えるようになるのだとか。
日本のプラグインハイブリッドのマーケットを、グググッと押し広げてくれそうな1台、それがゴルフGTEなのです。
<SPECIFICATIONS>
☆GTE
ボディサイズ:L4265×W1800×H1480mm
車重:1580kg
駆動方式:FF
エンジン:1394cc 直列4気筒DOHCターボ
トランスミッション:6速DSG
エンジン最高出力:150馬力/5000〜6000回転
エンジン最大トルク:25.5kg-m/1500〜3500回転
モーター最高出力:109馬力
モーター最大トルク:33.6kg-m
価格:499万円
(文&写真/ダン・アオキ)
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