レノボが教育向けにChromebook「300e」「500e」2機種を発表

Lenovo 300eおよび500eは、Chrome OSを搭載する11.6型のノートパソコンです。両機ともにMIL-STD-810Gに準拠し、加えて高さ75cmからの落下テストをクリアしているので、授業中に机から落としても壊れにくくなっています。また防滴キーボードも搭載。屋外での授業でも使いやすいよう、配慮されています。

「回転型マルチモード 2 in 1 PC」と称し、ディスプレイが360度回転するヒンジを採用していることも特徴。くるっとひっくり返すことで、タブレットとしても利用できます。なお、「500e」は本体内蔵式の「Active Pen」を備えます。キーボード操作が困難な小学校低学年の児童でも、授業に使えることがアピールされました。

▲プロダクトマネージャーの元嶋亮太氏。「文部科学省の掲げる途中目標の児童3.6人に1台を実現するためには、低コストさ、堅牢性、先生側が管理しやすいことの3点が重要だ」と語る。Chromebookであるメリットは、ウェブベースで動かせること、起動時間が非常に速いこと、教材配布や端末管理が直感的に行えること、そして最低限のセキュリティが担保されていることなどにあるという

さらに、カメラを搭載。300eはフロントカメラのみ。500eはフロントカメラに加え、背面カメラも備えます。これにより、屋外学習で写真を撮影する際にも利用できるのが特徴です。前面のカメラは、キーボード面に位置するので、タブレット様に利用する際には、背面に配置されるようになっています。

そのほか500eの方が、インターフェイースの数が豊富などの違いがあります。詳細は下記のスペックをご覧ください。

<Lenovo 300e>
●OS:Chrome OS
●プロセッサー:Media Tek MTK 8173C
●メモリ:4GB
●ストレージ:32GB eMMC
●ディスプレイ:11.6型 HD
●インターフェース:USB Type-C、USB 3.0、HDMI、SDメディアカードリーダー、マイクロフォン/ヘッドフォン・ジャック、ケンジントンロックスロット
●カメラ:720pフロントカメラ
●ワイヤレス:IEEE802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0
●バッテリー駆動時間:後日発表
●寸法:約292x204x212.mm
●質量:約1.36kg

<Lenovo 500e>
●OS:Chrome OS
●プロセッサー:インテル Celeron プロセッサー N3450
●メモリ:4GB
●ストレージ:32GB eMMC
●ディスプレイ:11.6型 HD
●インターフェース:USB Type-C x2、USB 3.0 x2、HDMI、microSDメディアカードリーダー、マイクロフォン/ヘッドフォン・ジャック、ケンジントンロックスロット
●カメラ:720pフロントカメラ、500万画素リアカメラ
●ワイヤレス:IEEE802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2
●バッテリー駆動時間:後日発表
●寸法:約290x204x20.35mm
●質量:約1.35kg

 

▲レノボ・ジャパン 教育市場担当の渡辺守氏が教育市場について語った

レノボ・ジャパン 教育市場担当の渡辺守氏の説明によると、平成29年3月時点の文部科学省のデータでは、児童5.9人に1台のICTデバイスが普及しているといいます。また、そのうちタブレットの台数比が増えているのがトレンドで、3年間で5.1倍に増加しました。対象となる児童全体が1200万人いるので、5.9人に1台という数値を逆算すると約200万台が普及していて、そのうちの37万台強がタブレットデバイスとなっているといいます。

同じく、文部科学省の第2期教育振興基本計画で目標にされていた数値では、設定場所を限定しない可動式コンピュータを40台用意することが設定されています。渡辺氏によると、ICTデバイスの普及が進まない原因には、「予算不足」「メンテナンスの手間」「教師側のICTスキルの不足」の3つが挙げられるといいます。また、状況を改善するには、「オンプレからの脱脚」「過剰スペックの見直し」の2点が重要と考えているとのこと。そのため、「教育専用のクラウドサービスの構築」「低価格デバイス」の2つが必要だといいます。

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(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター

いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。

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