使い方はシンプル。スマートフォンの裏に接着し、指からずり落ちるのを防ぐというもの。円形の表面のボタン部分と接着剤のついたプラットフォームの間はアコーディオン上になっていて、指の太さに合わせて伸縮可能。そのため、アコーディオン部にイヤホンを巻き付けたり、スマートフォンスタンドにするなど、多様な使い方ができます。
円盤部分の大きさは直径4cm。 粘着面には専用のジェル状ののりが使われていて、はがして何度も付け替えられ、粘着力が弱くなったら常温の水につけて乾かせば元の状態に戻せます。ただし、粘着部分に接するものの表面が本革や合皮、シリコン、布、 凹凸のあるものなどには接着できません。また、ものをぶら下げるだけの負荷がかかることは想定して作られていないため、重いもの吊り下げるなどの用途では使えません。
価格は表面のデザインによって違っていて、日本国内では1個1200円と1800円(いずれも税別価格)で販売されています。表面のデザインはおよそ120種類で展開しており、シーズンごとに50種類程度の新作を発売。このほか、著名人とのコラボモデルなども発売されています。
ポップソケッツの創設者兼CEOのデイビット・バーネットさんによると、そのデザイン数は通算で1055種類。アメリカで人気なのは、大理石のようなマーブル模様、曼荼羅のようなデザイン、銀河系のような星空が描かれたデザインだとか。
そもそもの誕生のきっかけは、デイビットさんが愛犬とともにランニングする際にスマートフォンのイヤホンがからまってなんとかしたいと思ったことから。すぐに近くの手芸店に行き、スマートフォンの裏に大きなボタンを2つ付けて満足していたものの、その様子を友人や家族たちに笑われたそうです。
「エンジニアリングのソフトを購入し、伸縮できる仕組みで見た目でも機能面も満たすこういったものを作れないかと考えました。2012年に発明を知ってもらい、資金を集めるために、kickstarterキャンペーンでダンス動画を披露。2014年にガレージで事業を立ち上げ、現在に至っています」(デイビットさん)
日本国内でもこれまでにも発売されていましたが、この春より本格上陸。販売デザイン数や販路を拡大。さらに公式オンラインショップも立ち上げています。
5月1日には新モデルが発売予定。ポップソケッツ・グリップの表面が凹凸のついた金属のようになった「SAFFIANO」3色や、「VIGAN LEATHER」2色、光沢のある鱗のようなデザインの「IRIDESCENT」など、素材感を前面に出したモデルが投入されます。
さらに、ポップソケッツ・グリップを車のエアコン部分に差して使えるようにする専用の「ポップソケッツ・ホルダー」も3種類発売予定。スマートフォンを手で持ちやすくする以外の用途へと拡大していく模様です。
今後発売されるもののなかでも話題を呼びそうなのが「ポップソケッツ・ツイスト」。接着すると携帯電話をハンドスピナーのように回して遊ぶことができるモデル。こちらも5月1日発売予定です。
ディビットさんも「つまらない会議のときとかに」と悪ノリするコメントで紹介していたのですが、鉛筆回しのようについつい遊んでしまう人が増えそうな予感がします。
今秋以降も、カードケースがついたスマートフォンケースなど、新たな商品も投入予定。さらに、オリジナルのアプリも開発中。そのソフトを起動した状態で自分のデバイスをスピンさせると、静止画を歪められるというもの。これを受け取った側も同じソフトを使った状態でポップソケッツでスピンすることで解読できる仕組みになるようです。
アメリカでは有名なミュージシャンやモデルも自発的に使い、若い女性層を中心に人気が広まったポップソケッツ・グリップ。日本でもブームは巻き起こるでしょうか?
>> ポップソケッツ
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(取材・文/北本祐子)
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