■ARアプリで教材が変わる
新しいプロセッサを搭載したことにより、ARを活用したコンテンツが快適に利用できます。美術館や博物館でしか見られなかったような情報がディスプレイ上で確認できるため、教育分野での活用も大いに期待できます。
Appleのリリースによれば、A10 Fusionチップを搭載したことで、従来より40%速いCPU性能と50%速いグラフィックス性能が実現されているとのこと。
例えば、専用のアプリを起動し、そのままiPadのカメラを教科書に向けると、ARの映像が起動するデモンストレーションが展示されました。
アプリは開発途中ということで、名称等は明らかになっていません。展示された教材はHMH(Holt Mc Dougal)という出版社のもので、教科書の表紙自体がARを呼び出すためのマーカーになっているようでした。
そのほか、ダムや水力発電所を設置することで治水について学べるアプリや、カエルの解剖を擬似的に体験できるアプリも紹介されました。
■Apple Pencilで書き込める
そして新しいiPadでは、Apple Pencilが利用できるようになりました。
そもそもApple Pencilは、その名の通り鉛筆を模した形状をしています。筆圧感知をサポートし、ペン先を寝かせて筆を動かすことで太い線を引けるなど、リアルな筆記具に近い使い心地を実現しているのが特徴。キャップを取り外すと、Lightning端子が現れるので、これをiPad側の端子に装着してペアリングや充電を行います。
「iWork」にいくつかのアップデートが施されることも見落としてはいけません。特にPages、Numbers、Keynoteでは、Apple Pencilで直接書き込めるようになります。例えば、上記のスライド写真のようにスライド中に手書きのイラストを容易に加えることも可能です。
ちなみにロジテックからはApple Pencilよりも安価な「Crayon(クレヨン)」も発表されました。また、キーボード付きのカバー「Rugged Combo」も発表されています。
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新しいiPadは、Apple Pencilと合わせても計4万8600円〜で入手可能。キーボード入力にこだわらなければ、コストパフォーマンスの面でもおすすめしやすいモデルとなりました。教育現場だけでなく、一般向け商品としても魅力的です。
>> Apple「iPad」
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。