人気の“チンク”がSUVに!フィアット「500X」待望の上陸

_MG_3525bフィアットとクライスラーが共同開発した、全く新しいプラットフォームから生み出された500X。ご存じの方も多いかもしれませんが、クライスラー側のプロダクトは、ジープの「レネゲード」になります。

500Xのボディは、全長4250mm(クロスプラスは4270mm)、全幅1795mm、全高1610mm(1625mm)と、500と比べたらかなり大きくなったものの、マツダ「CX-3」といい勝負のコンパクトサイズ。

イタリア本国には、4ドアのミニバン仕様「500L」もラインナップされますが、日本市場ではチンクエチェント・ファミリーとして初となる4ドアボディ。この日、プレゼンテーションを行った日本法人のポンタス・ヘグストロム社長は、質疑応答において、日本車や500から乗り換えるファミリー層に期待する、と語っていました。

ルックスは、ひと目で“500の一族”と分かるもの。500のデザインを手掛け、現在はフィアットとクライスラーのデザインチームを統括するロベルト・ジョリート氏は、オリジナルというべき2代目チンクエチェントのデザインを「50年経っても、もう一度つくりたいもの」と讃え、500Xを“500という遺産の新しい継承者”と位置づけていました。

インテリアは、ベーシックなポップスターがファブリック、上位2グレードはレザー仕様となります。クルーズコントロールは全車標準。スタビリティコントロール、フロント&サイドエアバッグも全グレード標準装備。さらに上位2グレードには、前面衝突警報、車線逸脱警報、死角に他車が入ったことを知らせるブラインドスポットモニターなどを備えます。

エンジンは、フィアットが誇る1.4リッター“マルチエア”ターボ。混合気のシリンダーへの流入量を、スロットルではなく、バルブの開度によって調整する先進のユニットです。

FFモデルの最高出力は140馬力/5000回転、最大トルク23.5kg-m/1750回転、JC08モード燃費は、15.0km/リッターです。一方の4WDモデルは、それぞれ170馬力/5500回転、25.5kg-m/2500回転、13.1km/リッターとなります。

クロスプラスに使われる4WDシステムは、基本的にジープのレネゲードのそれに準じたもの。切り離し可能なクラッチを介して、必要に応じて後輪を駆動します。必要がない場合はFF車として走り、燃費の悪化を防ぎます。

ユニークな装備として、いずれのグレードにも“ドライブムードセレクター”が備わります。室内の照明の色や明るさを変えてムードを演出する…のではなく、ムードならぬ走行モードを3種類から選べる機能です(でも、なんで“ムード”なんでしょう?)。

日常使いの「オート」、よりアグレッシブに走りたい時の「スポーツ」、悪路や滑りやすい路面では「トラクション」モード。ATのシフトレバー手前にあるダイヤルを回すだけで、簡単に選択できます。楽しめて、かつ頼りになる500Xといったところでしょうか。

_MG_3621bイタリアで企画・開発され、同国南部のメルフィにあるSATA(先進自動車技術会社)工場で生産されるフィアット500X。日本で右肩上がりを続けるフィアット車の販売台数を、さらに押し上げることは間違いありません!

<SPECIFICATIONS>
☆クロスプラス
ボディサイズ:L4270×W1795×H1625mm
車重:1460kg
駆動方式:4WD
エンジン:1368cc 直列4気筒 ターボ
トランスミッション:9速AT
最高出力:170馬力/5500回転
最大トルク:25.5kg-m/2500回転
価格:334万8000円
(文&写真/ダン・アオキ)

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