ハイレゾ音源再生に対応した「CAS-1」は、本体と左右のスピーカーという3つのユニットからなるオーディオシステム。狭いデスクトップの限られたスペースに置くことができるよう、書籍サイズのコンパクトな造りだ。ブックエンドにでも使いたくなるようなインテリア性もある。
「こんな小さなスピーカーでハイレゾがちゃんと聴けるの?」と思うかもしれない。だが聴いてみれば、サイズを超えた臨場感のある音に驚くはず。これならどデカいスピーカーのステレオセットなんて必要ないと感じるだろう。
だが、このオーディオの優れているポイントは、低ボリューム時にある。考えてみて欲しい、普段はそれほど大音量で流すことなどあまりない。そんなとき、低ボリューム時にバランスを崩さずに高音質再生する「ローボリュームモード」がかなりいい印象。具体的にはボーカル、人の声がつぶれることなく、くっきりと“言葉”が耳に届くのだ。
ハイレゾ音源再生に最適化したデジタルアンプS-Master HXをさらに進化させ、徹底したノイズ低減を実現した新設計のフルデジタルアンプ、リスナーの距離が近いことを想定し、ひずみを抑え高音質を生み出すよう設計したスピーカーなど、ソニーが長年培ってきた高級オーディオの設計技術が結集されている。
ハイレゾ音源でなくとも、ハイレゾ相当の高音質にアップスケールするソニー独自の技術「DSEE HX」も採用。不自然さがなく、いつもの音源がひとまわりクリアに、メリハリあるサウンドに感じられる。もしかしたら、ハイレゾを初体験するユーザーが感じる“違い”の差は、この機能かもしれない。昨日まで聴いていた音楽が、まったく違う音になるのだから。
また、スピーカーの脚として使う2種類のスパイクが同梱されており、スピーカーの角度をフラットと上向き(仰角8度)に設定が可能。不要な振動を抑える5mm厚のスチール製スピーカーベースも付属。
さらに、Bluetoothを従来比最大約3倍の情報量で伝送できるソニー独自開発のコーデックLDAC(エルダック)に対応しているだけあり、ワイヤレスでも確かに高音質。そしてスピーカー用のほかにヘッドホン専用のアンプ基板を採用しているのも特長。ハイレゾ対応ヘッドホンを挿せば、専用設計されたアンプがクリアなサウンドを鳴らしてくれる。
音楽はそもそも、気軽に、手軽に楽しめるからこそ心地良い。ハイレゾも、そうでない音源も変わりなく高音質。ヘッドホンはおまけじゃなく、きちんと聴ける。ボリュームを絞ってもクリアな音……。結論として、「CAS-1」ならばデスクトップで聴くハイレゾは“アリ”だ。
【コンパクトオーディオシステム CAS-1】
<スピーカー部>
使用スピーカー 2way バスレフ型、直径62mmコーン型ウーファー、直径14mmソフトドームトゥイーター
エンクロージャー方式 バスレフ方式
周波数帯域 60Hz-50,000Hz
<アンプ部>
実用最大出力 24W+24W
<Bluetooth>
通信方式 Bluetooth標準規格ver.3.0
出力 Bluetooth標準規格Power Class2
見通し距離 約10m
使用周波数帯域 2.4GHz帯
対応プロファイル A2DP,AVRCP
対応コーデック SBC、AAC、LDAC
伝送帯域(A2DP) 20Hz-20,000Hz(44.1kHzサンプリング時)/20Hz-40,000Hz(LDAC 96kHzサンプリング、990kbps時)
(文/&GP編集部)
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