「明日のラグジュアリーを、いまつくる」。BMW新型7シリーズの発表会に登壇したBMWジャパンのペーター・クロンシュナーブル社長は、そういって胸を張りました。“トラディッショナル”に留まらない、コンテンポラリー(現代)さこそが、7シリーズを特徴づけるというのです。
続いて、デベロップメント・ジャパン本部長のルッツ・ロートハルト氏は、7年前にニュー7シリーズの開発を始めるに当たり、1万人にのぼるBMWのエンジニアたちに「2015年にはどんな技術が実用化されているかを予想させた」といいます。モデルライフの長いフラッグシップは、近未来を見据えてつくらないと、すぐに陳腐化してしまうからです。
“カーボンコア”と名づけられた新しい7シリーズのボディは、カーボンファイバー、アルミニウム、高張力鋼板などを用いた複合構造。従来モデルのそれに比べ、130kgもの軽量化を果たしました。
ボディサイズは、全長5110(5250)×全幅1900×全高1480(1485)mm(カッコ内はロングボディ)。先代よりわずかに長くなっています。BMWドイツ本社でエクステリア・クリエイティブ・ディレクターを務める永島譲二氏によると、前後左右とも、上下に水平線を配して、大型セダンを「低く」「広く」見せているそうです。
拡大されたキドニーグリルの内部には、開閉可能なエアベントが設けられました。エンジンのオーバークールを防ぐだけでなく、空力性能のアップにも寄与しています。ちなみに、新型7シリーズの空気抵抗は大幅に低減され、Cd値は0.3から0.25(!)になったとか。
ひと目で「ビーエムだ!」と分かる特徴的なポジショニングランプは、7シリーズ専用の意匠が与えられました。ヘッドランプには“BMWレーザーライト”を採用。通常のLEDより2倍の照射距離を誇ります。
エンジンは、「750i/750Li」が4.4リッターV8ツインターボ(450馬力/5500〜6000回転、66.3kg-m/1800〜4500回転)、「740i/740Li」が3リッター直6ターボ(326馬力/5500回転、45.9kg-m/1380〜5000回転)を搭載。トランスミッションは、いずれも8速ATです。
“2アクスル・エア・サスペンション”と呼ばれる足まわりには、エアスプリングが用いられます。走行中は“アクティブ・スタビライザー”が横揺れを抑え、一方、フロントウインドウに設けられたステレオカメラが前方の凹凸を検知。継続的にサスペンションを調整して、快適性を確保します。
前方のクルマとの距離を維持しつつ追走する“アクティブ・クルーズ・コントロール”、車線からの逸脱を警告する“レーン・ディパーチャー・ウォーニング”、死角に他車の存在を知らせる“レーン・チェンジ・ウォーニング”をはじめ、各種安全装備を満載。技術的ショーケースの役割も果たします。
そしてドアを開けると、カーペットのように足元を照らす“ウェルカム・ライト・カーペット”、車内をさまざまな光で彩る“アンビエント・ハイライト”、さらにパノラマサンルーフ、マッサージ機能など、おもてなしの機能も数えきれません。“BMWタッチ・コマンド”という7インチタブレットを操作して、快適装備やエンターテインメントの操作ができるのも、ニュー7シリーズの新しいところです。
究極の“ドライビング・ラグジュアリー”を目指したBMW7シリーズ。考え得る最先端のハイテクにより快適性をとことん追求した、注目に値する高級セダンです。
・740i:1217万円
・740i M Sport:1288万円
・740Li:1346万円
・740Li M Sport:1432万円
・750i:1485万円
・750i M Sport:1537万円
・750Li:1649万円
・750Li M Sport:1701万円
<SPECIFICATIONS>
☆740i
ボディサイズ:L5110×W1900×H1480mm
車重:1880kg
駆動方式:FR
エンジン:2997cc 直列6気筒 ターボ
トランスミッション:8AT
最高出力:326馬力/5500回転
最大トルク:45.9kg-m/1380〜5000回転
価格:1217万円
(文&写真/ダン・アオキ)
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