「J:COM TV with タブレット」は、従来から「J:COM TV」とセットで提供しているタブレットをモバイル通信に対応させたもので、「J:COM MOBILE SIM単体」は日本ケーブルテレビ連盟が提供する格安SIMケーブルスマホ」のことです。
つまり、純粋に新しいサービスと言えるのは「J:COM MOBILE スマホセット」だけと言っていいでしょう。
「J:COM MOBILE スマホセット」の対応端末として発表されたのは、LGエレクロニクス製の「LG Wine Smart」。折りたたみ式のガラケーのように見えますが、Android 5.1を搭載した、れっきとしたスマホです。
Google Playに対応し、3.2型ディスプレイはタッチでも操作できます。下り最大150Mbpsのau 4G LTEに対応し、高音質通話「VoLTE」にも対応。Wi-Fiでも接続できます。
最近、auやドコモが販売するAndroidを搭載したガラケーが「ガラホ」と呼ばれて注目を集めていますが、それらはGoogle Playには非対応。アプリを追加できないんですよね。ドコモのガラホはWi-Fiにも非対応で、通信方式も3Gのみ。実は「LINEが使えるフツーのガラケー」だったりします。
一方、J:COMが販売する「LG Wine Smart」は、Androidスマホとしての標準機能をまるごと備えており、「テンキーでも操作できるスマホ」と呼ぶべき端末。本来は、こういう端末こそ「ガラホ」と呼ぶべきではないのかなぁ〜と思ったり……。
実際に操作してみましたが、適度なクリック感を得られるテンキーは押しやすく、電話やメールの利用が中心で「ガラケーを手放せない」というユーザーには使いやすい印象。アプリを選んだり、写真や地図を拡大したりといった場合には、より手軽なタッチ操作を行えます。J:COMオリジナル端末としてカスタマイズが施されており、「ざっくぅキー」という専用キーでお気に入りのアプリをワンタッチで起動することもできます。
スマホの初期設定を遠隔リモートで行ってくれる無料サービスを利用でき、訪問サービスも受けられる「おかませサポート」(月額500円・税抜)も提供。公衆無線「Wi2 300」も無料で利用可能。
さらに、映像配信サービス「J:COMオンデマンド」を専用アプリで利用時はパケット無料という太っ腹な施策も発表しました。自宅のテレビで「J:COMオンデマンド」を視聴している人は、このスマホを買えば、外出時にも通信料を気にせずに、映画の続きを観たり、気になるスポーツ番組を観たりできるわけです。
「J:COM MOBILE スマホセット」は長期契約(2年)の場合、月額基本料は2980円(税抜)で、通話料は20円(税抜)/30秒、データ通信は下り最大150Mbpsで月に3GBまで使えます。端末価格は3万3000円(税抜)で、「J:COM TV」または「J:COM NET」(40M以上)に加入した場合は、実質無料となるキャンペーンも行うそうです。
J:COMのスマホは、MVNO事業を行う同業他社に比べると「格安」とは言えませんが、サポート体制などを含めると「お得で安心」という印象。端末が個性的なので、すでにスマホをバリバリ使っている人には魅力薄かもしれませんが、端末ラインナップは今後増やす予定で、来年春には、防水対応のスマホも発売予定とのこと。フツーのスマホで利用したい人は、ちょっと待ったほうがいいかもしれませんね。
(文/村元正剛)
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