■約20種類のIoT対応機器をコンテナハウス内に搭載
今回の舞台となったのはこのコンテナハウス。一見普通のコンテナハウスのようですが、なかにはいわゆる“スマート家電”などのIoT対応機器が約20種類用意されているそうです。これらのIoT機器はNTTドコモのIoTアクセス制御エンジンに接続されています。
室内は20平米ほどあり、そんなにたくさんの機器があるようには見えません。そう、意識することなくIoTの恩恵に授かれることこそが、未来のIoTスマートホームなのです。
実際、被験者の方も「初日に警備システムの解除にとまどったくらいで、ほかは問題なく使えた」と話していました。一体この家のどこにIoTが組み込まれているのでしょうか。
■電気やシャッターをスマホで一元管理
被験者の方が一番便利だと感じたのが、電気の明るさや色の調整をスマホひとつでできることだったそう。筆者も、このIoTスマートホームにあるのと同じフィリップスのスマート電球「Hue」を愛用していますが、たしかにその利便性には驚かされています。
この家には複数のIoT機器があるので、個々に操作するだけでなく、一括制御することも可能です。外出/帰宅/おやすみ/目覚ましモードの4つが用意されており、シーン別に各機器の設定をどうするかを、モードを選ぶだけでまとめて操作できるんです。
また、スマホアプリを利用して、室内の気温や湿度、二酸化炭素の濃度などを可視化もできます。手元で家の状況をまとめて把握できるのは便利そうですね。
これらのアプリのUIやUXデザインなどは、IoTに特化した「&AND HOSTEL」というホステルを手がけるand factoryが手がけています。
■鏡を見るだけで健康状態や天気がわかる
もうひとつ、この家の魅力を挙げるなら、NECパーソナルコンピュータの「スマートミラー」を忘れてはいけません。洗面台の前に体重計が埋め込まれており、その上に乗ると…。
体重や摂取・消費カロリー、睡眠データが表示されるんです。ちなみに、この摂取・消費カロリーは、摂取した食事画像を解析してアドバイスを提供するfoo.logのシステムを活用しています。
また、睡眠データはベッドの下にパラマウントベッドの睡眠センサー「眠りSCAN」が敷かれており、センサーで感知した寝返り、呼吸、心拍などを測定し、睡眠状態を把握するのだとか。何もしていないのに自分の健康状態がわかるなんて、まさにIoTならではといえるでしょう。実際に被験者もこの機能を使ったことで、「睡眠時間が短い日は体調が悪い」というのをはっきり意識したそうです。
ほかにも、室内には富士通のヘルスケアデバイスが設置されており、端末に指を置くだけで心拍数や血管年齢などの健康状態がわかります。
資生堂が提供する美容デバイスでは、気分やコンディションを入力すると、5個のカートリッジから適切なスキンケア化粧品を出してくれます。
毎日自分にあった化粧水が出てくるなんて、まるで魔法みたいですね。
■防犯対策にもなりそうなIoT建材を採用
このIoTスマートホームが普通の家と大きく異なるのが、凸版印刷によるIoT建材によるセンシングです。100枚のセンサー付きの床材を使用したこの家は、歩くだけでスマホ上で人がいる場所を可視化してくれます。
防犯カメラだと“見られている感じ”がしますが、重さを感知して電気信号を送るこのシステムなら、違和感なく暮らせそうです。出先から誰も居ないはずの自宅をチェックすれば、防犯対策としても活用できます。
ほかにもまだまだ紹介しきれない数のIoT機器を備えたIoTスマートホームですが、現在はあくまでも実験段階。しかし、こういった家に住む日が来るのもそう遠くなはさそうです!
>> 未来の家プロジェクト
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(取材・文/今西絢美)
編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。
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