一般的なスマホは、電話番号などの情報が記録されたSIMカードを挿すことで通話・通信を利用できます。たとえばドコモのスマホには、ドコモのネットワークにつながるSIMが入っています。海外渡航時には、ドコモが提携する海外の通信事業者につながるローミングサービスを利用できます。ただし、データ通信料は割高です。SIMフリーのスマホなら、自分が利用したい通信事業者のSIMを挿せて、海外渡航時には渡航先の事業者のプリペイドSIMを使うこともできます。
一方、jetfonには、「クラウドSIM」という技術が導入されています。これは、世界各国のSIMの情報をクラウドに置き、ユーザーの位置情報を元に、最適な通信事業者が選択され、自動で接続されるという新しい技術です。“世界のほとんどの国のネットワークにつながる機能が入っているスマホ” と言ってもいいでしょう。
なお、jetfonはSIMフリースマホでもあり、2枚のnanoSIMをセットできるスロットも備えています。国内では、現在契約しているキャリアのSIMを挿して使い、海外渡航時に、日本の携帯電話番号で待ち受けしつつ、クラウドSIMによって格安料金でデータ通信を利用できるわけです。
jetfonは5.5インチのフルHDディスプレイを搭載し、CPUにはクアルコムのSnapdragon 652(1.8GHz×4コア + 1.4GHz×4コア)を採用。RAM(メモリ)は4GB、ROM(ストレージ)は64GBというミドルレンジモデルです。
カメラは背面が約1300万画素、前面が約800万画素。指紋センサーを搭載し、緊急地震速報などのJアラートにも対応しています。
クラウドSIMを用いたデータ通信料は、基本料金は不要で、必要な時だけアプリで購入できる仕組み。「300MB/1日」「1GB/7日間」「3GB/30日間」の3タイプから選べて、最も安い国では1日380円で利用できるとのこと。キャリアのデータローミングは1日980円〜、レンタルのモバイルWi-Fiルーターは1日680円〜といったところなので、かなりお手頃といえそうです。
MAYA SYSTEMは、昨年経営破綻した格安スマホのFREETEL(フリーテル)の事業を引き継いだことでも知られる会社です。「jetfon」はクラウドSIMを用いる新ブランドとして展開し、FREETELブランドも継続し、新モデルを準備しているそうです。
>> MAYA SYSTEM
[関連記事]
キャリアハイエンドモデルに匹敵!HTCがSIMフリー端末「HTC U12+」を発表!
世界70か国で1日500円!H.I.S.が格安SIM市場に参入
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
- 1
- 2