スニーカーのヒモを結ばない日がやってくる?「ナイキ マグ」

そしてスニーカー好きにとっての「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のアイコンは「ナイキマグ」だ。映画の序盤、デロリアンが未来に着いた直後にマーティが履いたシューズは、足をシューズにグッと押し込むとバンド状のシューレースが自動で締まってフィットするという仕組みになっている。

スニーカーにはおよそ100年の歴史がある。ケッズがラバーソールのシューズをリリースしたのは1917年、コンバースがバスケットボールシューズとしてオールスターを発売したのも同じく1917年のこと。ゴム底のシューズ自体は1896年に開催されたアテネ五輪で使用されていたため、そこを原点とするならばもう少し長くなる。

スニーカーのアッパーやミッドソール、アウトソールに使われる素材は100年の間に着実に進化をした。現在のランニングシューズは驚くほどのクッション性や反発性を備えているし、アッパーのフィット性、強度、素材によっては防水性も格段に高まったと言える。

しかし、シューレースを使ってシューズを足にフィットさせるという方法は、100年前と変わっていない。もちろんリーボックの「インスタポンプ フューリー」のように空気を使うもの、プーマの「ディスク」のようにワイヤーを使うものなどもあるが、主流はあくまでもシューレース。もし何かの新しいシステムがシューレースに取って代わることができたなら、それは間違いなく歴史に残るイノベーションだ。

2015年時点で実現したアイテムとは言えない「ナイキマグ」だが、2016年春にオークション形式で限定発売し、売上金がすべてパーキンソン病研究機関であるマイケル・J・フォックス財団に寄付されることが発表された。

 

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どこまで映画に登場したシューズに近づいているのか、それがいずれスニーカーのフィッティングシステムを変えることになるかは分からないが、きっと未来を感じさせてくれるシューズであるに違いない。

(文/神津文人)

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