「AirStation connect」の第1弾として発表されたのは、発売中のトライバンドWi-Fiルーター「WTR-M2133HP」シリーズと、8月3日から新たに発売された専用中継機「WEM-1266」。親機となる「WTR-M2133HP」シリーズは、すでに使っている人も、ファームウェアのアップデートでメッシュネットワーク対応となります。また、「WTR-M2133HP」1台と専用中継機「WEM-1266」2台をセットにしたスターターキットも発売されます。
■「AirStation connect」には独自アルゴリズムを導入
バッファローの担当者によると、AirStation connectは、主に「3階建ての住宅や、100㎡以上のマンション」に住む人をターゲットにしているとのこと。従来方式のWi-Fiでは、場所によっては電波が届かなったり、複数のアクセスポイントを設けて、それぞれの設定の手間に煩わされていたり……といった人たちです。
メッシュネットワークでは、スマホのアプリだけで親機も中継機の設定も簡単に行えるのが利点。例えば、スマホを持ち歩いていた場合、自動で最も高速な中継機に繋がり、シームレスに切り替えるといった特徴もあります。
今年4月にグーグルが発売した「Google WiFi」もメッシュネットワーク技術を用いたものです。他メーカーからもメッシュネットワーク対応ルーターが続々とリリースされています。しかし、メッシュネットワークWi-Fiは、導入が簡単で通信が安定する反面、通信速度が遅くなりがちという弱点も指摘されていました。「AirStation connect」では、これを克服するために、複数の通信経路のパターンをシミュレートして、最適なバンドを自動選択する独自のアルゴリムを開発。「家中のどこでも高画質の動画をスムーズに再生できるネットワーク環境を実現できる」と自信を示していました。
■メッシュネットワークに向かない人もいる!?
従来型のWi-Fiルーターは、親機は1万円以内で買える機種が多く、中継機となるアクセスポイントも5000円程度で購入できます。それに対して、メッシュネットワーク対応機器は2倍以上の価格が相場です。
Wi-Fiに接続するデバイスがさほど多くない人や、家がさほど広くない人は、従来型のWi-Fiルーターを使い続けるほうが経済的で、速度面でも有利です。また、メッシュネットワーク対応のWi-Fiルーターは有線LAN端子が少ない場合もあるので、複数のパソコンを有線でつなぎたいといった場合にも注意が必要です。
メッシュネットワークが向いている人は先述のように、広い部屋に住んでいる人や、従来型のWi-Fiでつながりにくいといったトラブルを抱えている人に限られるでしょう。
ですが、いまやパソコンやスマホだけでなく、スマートスピーカーやテレビ、ゲーム機、照明機器など、いろいろなものがWi-Fiにつながる時代です。将来的には、平均的なマンションでも、家の隅々までWi-Fiがつながる必要性が生じるかもしれません。これから、Wi-Fi機器を購入する場合は「メッシュネットワーク」も視野に入れたほうがいいと思いますよ。
>> バッファロー
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(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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