審査委員の各氏からも高い評価を受けました。
「デジタルなものと捉えがちなQRコードを、フィジカルな物体として提示した秀作。 アイデンティティをスタンプとしてしるすというアクションの中に多くの気づきがあった。現実の中に具現化していく未来のリアリティを見事に掬い取っている」 (グラフィックデザイナーの原研哉さん)
「デジタルだが判子の印面に似ているQRコードの特徴に着眼した力作。デジタルとアナログがうまく融合している」 (プロダクトデザイナーの深澤直人さん)
「ホルダーのデザインは検討の余地があるものの、上下がわかり均一の印圧で押せるよう考えられており、アイキャッチ になる形という点では面白い」(プロダクトデザイナーの喜多俊之さん)
そして、表彰式の壇上でもシヤチハタの舟橋正剛社長から「QRコードに関しては、過去にシヤチハタは“スタンキー”というQRコードのスタンプで大失敗をしています。自分のホームページなどへとリンクするものだったのですが、まだ消費者の皆さんがQRコードに親しんでおらず、全然売れませんでした。中心に苗字が入ったものでも認識するということで、新しい商品になるのではないかと期待している」という言葉が贈られました。
■どのハンコが欲しい?
審査はプレゼンシートでの一次審査からはじまります。審査は、①テーマの理解力 ②商品化の実現性 ③新規性・革新性 を基準にすると発表され、応募時点で決定している10月12日の授賞式に参加できる人という条件もつけられていました。
よって授賞式の会場には11組の受賞者たちが勢ぞろいしたわけですが、中でも印象的だったのが「10年前に次は応募しようと思っていた」など、10年前の時点でも認知していたと語る人が数人いたことです。クリエイターやクリエイターを目指す人にとって目標とするコンペがひとつ増えたことは、ものづくりの未来にもちょっと明るいニュースなのではないでしょうか。
どれもちょっと欲しくなるモノばかりですよね。今回受賞した作品の中から、実際に商品化へと検討する旨が発表されています。
>> シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション
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(取材・文/北本祐子)
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