1949年長野県で創業したヤシカは、フィルムカメラの黄金時代を代表するカメラメーカーのひとつ。二眼レフカメラ「ヤシカフレックス」や世界初の35mm電子制御シャッター搭載カメラ「ヤシカ エレクトロ35」、カール・ツァイスレンズが使える35mm一眼レフカメラ「コンタックスRTS」などの名機を世に送り出しましたが、経営破綻により1983年に京セラに吸収合併、さらに2007年、京セラのカメラ事業撤退により香港の企業に商標権が売却されてからは、ヤシカのカメラを日本の市場で見かけることはほとんどなくなりました。
そんなヤシカの名を冠したコンデジ「digiFilm Camera Y35」の最大の特徴は、フィルムカメラのような操作方法にあります。まずY35で写真を撮るには、フィルムカメラのようにシャッターを押す前に巻き上げレバーを回す必要があります。デジカメしか使ったことのない人には最初は違和感があるかもしれませんが、シャッターを押す前にこの巻き上げレバーを回す、という動作がひとつ加わることで、何をどんな風に撮ろうか考える時間が生まれ、一枚一枚の写真を丁寧に撮れるのです。
画質モードを変える時、通常のコンデジならさまざまなモードをボタンひとつで選べますが、「digiFilm Camera Y35」の場合、裏蓋を開けて、digiFilmというAPSフィルムのような形のモジュールをセットして行います。digiFilmには、スタンダードなカラーバランスで高画質な「200」、ハイコントラスト・高感度な「1600」、色味を抑えつつ、温かみも感じさせるトーンが特徴の「ファンシー」、やや粗めで青みがかった画質の「ヤシカブルー」、ハイコントラストの白黒(ISO400相当)「Black&White」、インスタグラムにもジャストフィットする正方形のフォーマット「6x6」の6つのタイプが用意されています。
シーンによって6種類のdigiFilmを使い分けてセットするという独創的なこのシステム、アナログカメラ好きなら想像するだけで楽しくなってしまいますね。ちなみにモードの変更はフィルム交換のように行いますが、そこはコンデジ、画像はdigiFilmではなくSDカードに保存されます。とはいえ液晶画面がないので、撮影した結果がパソコンなどで読み取るまでわからないのは、フィルムの現像待ちと少し似ていますね。
カメラの主なスペックは1/2.5インチCMOSセンサー、1400万画素、光学ビューファインダー、レンズ35mmF2.0、最短撮影距離1.5m、シャッタースピード5段階(1秒、1/30秒、1/60秒、1/250秒、1/500秒)、絞り優先モード搭載、露出補正5段階(-2/-1/0/+1/+2)、電源に単3電池×2本を使用、サイズW110×H70×D55mm。いたってシンプルな作りで最新コンデジには遠く及ばないものの、アナログカメラのような味わいや操作感を楽しめるこんな面白カメラ、ワクワクが止まりません!
12月6日現在、「digiFilm Camera Y35」1台3万1830円から支援受付中。他にも「digiFilm Camera Y35」にdigiFilm6本がセットになったコース(4万5650円)なども用意されています。
>> GREEN FUNDING「YASHICA digiFilm Camera Y35」
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(文/&GP編集部)
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