創業者の一人で、25年以上に渡って金融業界で活躍していたフランソワ・モローさんによると、2016年はほぼモジュールの開発に費やし、2017年のバーゼルワールドでようやく発表。商品展開は2017年秋からで、2度目の2018年3月のバーゼルワールドでは特に「LONGBRIDGE」モデルが大好評だったそう。
■時計の針が1周しない驚きの機構
元々コレクターだったフランソワさんの目から見て近年の時計市場は、拡大はしているものの、時計の価格は高騰し、その割にイノベーションが見られないと感じていました。そこで自らが立ち上げたブランドでは、自分の趣味をたっぷりと詰め込みました。インスピレーションの源は、ヴィンテージのモーター機器の計器。フランソワさん自身がとても興味があり、コレクターでもあります。
「これらはモノとしてとても美しく、現在電子機器に押されて消えつつあることで、さらにヴィンテージ感が増しています。パイロットやカーレーサーなどがどこまでも限界に挑戦していくときに使われる計器だという点でも惹かれています。メーターというものは使われている針は1本。目盛りは0からMAX。それに対し、時計の針というのは2本あって、360度回っています。メーターのような時計作りを考えたときに、生まれたのが『240°レトログラードミニッツカウンター』という機能でした」
0から60分までをこのカウンターで計り、小窓に表示される「ジャンピングアワー」で時間を表示。さらに、車でのオイル表示にあたる「パワーリザーブ」も付けた。例えば、1時59分から2時になる際には、文字盤に大きな針で表示される「240°レトログラードミニッツカウンター」が右の60から一気に左の00に移動する。「時計の針が一周する」という言葉が当てはまらない時計なのです。その瞬間を見るために、じっと待ってしまう…この新しい楽しさは確かにイノベーションですね。
世界で購入できる31店舗の中に、2018年11月より伊勢丹新宿店が、2019年1月には名古屋の松坂屋が加わり、ようやく日本で実物に触れることができます!
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(取材・文/北本祐子)
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