これってまさにスカウター!「スマートグラス」がもたらす仕事現場の未来とは?

▲保護メガネタイプ「VT-770」

グーグルが開発中のグーグルグラスを始め、世界中で開発が進められているスマートグラス。一般的にデバイス性能やシステム機能部分に注目が集まりがちですが、使用者が長時間着用する機会が増えるにつれ、製品重量やバランスを考慮した “装着感” が重要視されるようになってきています。

山本光学が今回発表した「バーサタイル」は、人間工学に基づき、ふたつのタイプのフレームを設計。18.6gと軽量でバランス性が高く、軽量フレームタイプの「VT-850」と、保護めがねタイプの「VT-770」は、作業中の動きによるズレを最小限に抑え、長時間の使用でも耳への負担や眼の疲れがほとんどありません。

▲軽量フレームタイプ「VT-850」+デタッチャブル式光学ユニット「VT-001」

このフレームに装着して使用するのが、デタッチャブル式光学ユニット「VT-001」。高輝度で透過率が高く、視界を妨げないソニーセミコンダクタソリューションズのホログラム導光板ディスプレイモジュール「SED-100A」を組み込み、周りの明るさにより輝度調節が可能です。

簡単に着脱でき、使用シーンに合わせて見やすい位置にディスプレイがくるように角度の調節も可能。万が一フレーム部分が破損してもフレームのみを交換できます。

光学ユニットも24gと軽く、フレーム、光学ユニットを合わせても、保護メガネタイプの「VT-770」は計82g、軽量フレームタイプの「VT-850」の場合は計42.6gと超軽量。これなら長時間の着用にも耐えられそうですね。

さて気になるのが、このスマートグラスが可能にすること。「バーサタイル」にアプリケーションの用意はなく、既存システムと連携し全体システムの一部として活用したり、ユーザーが開発したアプリケーションを自由に搭載したりできます。

そのためのソフトウェア開発キット・SDKが提供され、光学ユニットへの画像転送や各種設定を行います。まさに無限の可能性を秘めたスマートグラスと言えそうです。

「バーサタイル」の利用シーンとしては、倉庫などで作業者のディスプレイに手順やチェックリスト、商品の保管場所などを表示し、効率よくピッキング作業やロケーション管理を行ったり、ホテルや空港でチェックインの有無を確認したり、イベントやスポーツの試合会場などでの警備、迷子の探索などが想定されています。

「バーサタイル」の活用が期待されているのはワークシーンだけではありません。博物館のガイダンスや映画での字幕表示のほか、これまでは叶えられなかった演劇などでも、舞台を見ながらレンズ下に字幕や解説などを表示ができるようになります。聴覚障害のある人や外国人も時間差なく内容を理解できるようになるのは嬉しいですよね。

スマートグラスを私たちが実際に手にするようになるのはまだ少し先になりそうですが、警備体制が強化されることが予想されている東京オリンピックでは、もしかしたら実際に使用している場面を見かけることがあるかもしれませんね。スマートグラスのこれからに期待しましょう。

>> 山本光学「バーサタイル」

 


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(文/&GP編集部)

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