■イヤホン本体のみで6時間駆動
「PUSH」は機能面とデザイン面の両方で“境界線のないサウンド”がキャッチフレーズ。同時に、SkullCandyらしい低音にパワーのあるサウンドとして“パワフルなフルワイヤレス”のサブキャッチも用いられています。
外見は、これまでの同社のイヤホンから考えても珍しいメタリック・グリーン色の“Psyco Tropical”の1色展開。ファッショナブルで流行に敏感なユーザーを狙ったSkullCandyらしく、かなり個性的なカラーリングで攻めています。
イヤホン本体のみのバッテリー駆動時間は6時間で、ケース併用では最長12時間の連続再生に対応します。
昨今ブームの完全ワイヤレスイヤホンですが、Skullcandyが「PUSH」の開発で目指したゴールは3つあります。
ひとつめは“接続性”。完全ワイヤレスイヤホンはBluetoothを使ったワイヤレス接続で左右のイヤホン間を通信するため音の途切れが問題になっていました。これは、Bluetotohが水のなかでは通信ができないことと、左右のイヤホンの間には人の頭があり電波を遮るためです。そこで「PUSH」では、自社開発によりイヤホン上部にアンテナを位置させ、頭を回り込むような構造にすることで、接続性を向上させています。ちなみにBluetoothのバージョンは4.2です。
そしてふたつめのゴールは“安定感”。完全ワイヤレスイヤホンは落下して無くしそうという心配に対して、「PUSH」では何千人もの耳の形状を計測し、独自に開発した“Secure FitFin”と呼ばれるフィンで固定しています。なお「PUSH」は、購入後の安心として、保証期間中に片方を紛失したような場合にも保証扱いとして70%の価格で新品と交換できるプログラムも提供しています。
3つめのゴールは“操作性”。スマホから取り出すと自動で電源が入り、左右のペアリングまでは自動化。ケースに入れると電源も切れます。スマホとの間で初回のペアリング設定を完了すれば、その後の再接続も自動です。「PUSH」のイヤホン本体には大きなボタンを搭載していて、曲の再生/停止、曲送り/戻し、音量を上げる/下げるの操作だけでなく、スマホのボイスアシスタントを呼び出すアクティベートアシスタントも利用可能です。
発表会の会場で実際に「PUSH」と自分のiPhoneをペアリングして聴き込んでみると、SkullCandyらしいパワーある低音はこの「PUSH」でも健在。重低音が深く沈むというよりも、低音の押し出しの強さや音圧でアタック感を出した、パワー重視のサウンドと呼ぶべきところでしょうか。“パワフルなフルワイヤレス”というキャッチフレーズ通りですね。中広域もナチュラルな情報量を備えていて、日本のボーカル曲もしっかりと聞けそうです。
SkullCandyが初めて世に送り出す完全ワイヤレスイヤホン「PUSH」。ライフスタイル・オーディオブランドを掲げる同社らしく、個性的で尖ったデザイン性を持ちつつ、幅広い人に向けた丁寧な作り込みがなされたモデルです。
2019年はFacebook、Instagram、Twitter、TikTok、YouTubeと5つのSNSを駆使して情報を拡散させていくという“今どき感”満載SkullCandy。今後の展開からも目が離せません。
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(取材・文/折原一也)
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