■実際に折り曲げてみた印象は…
Mate Xは、ディスプレイが山折りに曲がる構造になっていて、折り曲げた状態ではフツーのスマホのサイズ感。前面は6.6インチ(2480×1148ドット)、背面が6.38インチ(2480×892ドット)の両面ディスプレイのスマホとして使えます。開くと、画面は8インチ(2480×2200ドット)となり、タブレットのように使えるわけです。
折り曲がる構造は「Falcon Wing Design」と呼び、ほとんど隙間が気にならないほどピタリと折り畳めることが特徴。正直、有機ELディスプレイは薄いとはいえ、こんなに曲ちゃっていいの? と思えるほどです。ファーウェイによると、10万回の折り曲げテストをクリアしているそうなので、1日100回折り曲げたとしても1000日。ヘビーユーザーでも3年は使い続けられそうです。
筆者はわずかな時間ですが、Mate Xに触れさせてもらえました。恐る恐るディスプレイのを曲げてみましたが、かなり頑丈な印象で、軽く力を入れてグイッと曲げてしまって問題なさそう。正方形に近い8インチは、大画面として使うのはもちろん、左右または上下に2分割しても使いやすそうです。
■ライカ監修カメラやパワフル仕様もアドバンテージ
従来のハイエンドモデルと同様に、ライカが監修したカメラも搭載しています。スペックは明らかにされていませんが、3つのレンズを確認できるので、広角から望遠まで幅広い画角で撮影できるのではないかと思われます。折りたたみ時に両面ディスプレイになるので、アウトカメラ・インカメラの区別はなく、高画質カメラで自撮りもできます。また、人物を撮る時に、被写体となる人も構図を確認できます。
側面の電源ボタンには指紋センサーも搭載しています。つまり、触れるだけで電源をオンにして、画面ロックも解除できるわけです。
4500mAhの大容量バッテリーを左右に分けて搭載し、ふたつの電池にスピーディーに充電できることもアドバンテージ。RAM(メモリ)は8GBで、ROM(ストレージ)は512GB。ファーウェイ独自のnanoSIMサイズの記憶メディア「NM Card」を装着して、ストレージを拡張することもできます。CPUは、AI対応の高性能チップ「Kirin 980」が採用されています。
■5G向けモデルだが、日本で5Gが始まるのは2020年
Mate Xのもうひとつの大きな特徴が、次世代の高速通信「5G」に対応していることです。
5Gは、欧米や中国では今年半ば頃から商用サービスが始まる予定。 Mate Xは、そんな新しい時代の幕開けを告げる記念すべき端末なのです。しかし、日本で5Gが始まるのは2020年。
Mate XはDSDS(2枚のSIMを挿して、同時待ち受けが可能)に対応し、5Gだけでなく、3Gや4Gのネットワークでも使えます。しかし、あくまでも5Gでの利用に最適化するように開発しているため、日本で5Gが始まる前に販売されることはなさそうです。ファーウェイのCEO、リチャード・ユー氏にも直接聞いてみましたが、「日本で5Gが始まった時には、もちろん発売したい」という回答でした。
もうひとつ大事なことを書くのを忘れておりました。気になるのは価格ですよね。ヨーロッパでの予定価格は2299ユーロ(約29万2000円)です。
>> ファーウェイ
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(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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