CPUにはクアルコムの最高グレードであるSnaodragon 855を採用。6.39インチの有機ELディスプレイを搭載し、画面上での指紋認証が可能。さらに、背面には48メガピクセル+12メガピクセル+16メガピクセルのトリプルカメラを搭載するという充実装備。さらに、最大20Wのワイヤレス充電にも対応しています。
スペック的には、主力メーカーの最新フラッグシップモデルに相当し、10万円を超えてもおかしくないのですが、価格はなんと449ユーロ(約5万6000円)〜。はっきり言って破格です。もし、日本に参入したら、SIMフリー市場で、今でも「コスパが高い」と評価されているファーウェイやASUSに大きなインパクトを与えることになりそうです。
実は、Xaiomiは日本に正規代理店があり、スマートウォッチやヘッドフォンなどがオンラインで販売されています。スマホが販売される可能性は無きにしもあらず、だと思います。
2. 高画素インカメラが飛び出すNOA MOBILE「F20 PRO」
続いて紹介するのはクロアチアのスマホメーカー「NOA」です。会社の設立は2005年で、比較的新しいメーカーといっていいでしょう。MWCには2017年から3年連続で出展していますが、初出展の際は、筆者はNOAのブースをスルーしてしまいました。気づかないほど目立っていなかったと言ってもいいでしょう。昨年は、わりと大きなブースを構えていて、突出した特徴のある端末はないものの、使いやすそうな端末を作っているなぁ〜という印象を抱きました。そして、今年。「ここまで来たか!」と思わせるモデルを出展し、来場者からの注目度を一気に上げていました。
そんなNOAが最新フラッグシップとして出展していたのが「F20 PRO」です。6.39インチの有機ELディスプレイを搭載し、ノッチ(切り欠き)もないフルスクリーンを実現。インカメラは、「カメラ」アイコンをタップすると、ゆっくり出てくる仕組みになっています。さらに、ディスプレイには指紋認証機能を搭載しています。
アウトカメラは16メガピクセル+5メガピクセルのデュアルカメラで、AIによる10種類のシーン認識に対応。さらに、技術の細かい部分までは理解できなかったのですが、最大96メガピクセルの画像を撮影できるのだそうです。
F20 PROの予定価格は350ユーロ(約4万4000円)。CPUがメディアテック製の「Helio P70」(最大2.1GHz オクタコア)で、これをどう評価すべかが難しいというか、筆者は使ったことがないのでわからないのですが、それでもやっぱり安いと思います。日本で発売されたら、すぐに買っちゃいそうです。
しかしNOAは、まだヨーロッパおよびロシアでの展開で、主力としている国はクロアチア周辺の国やギリシアあたりだそうです。日本市場に参入する可能性が極めて低いのですが、ブースで熱く説明してくれた担当者は「グローバルに進出したい」と語っていました。今後の展開に期待しましょう。
3. 腕に巻いてビデオ通話もできる Nubia「Nubia α」
最後に紹介するNubiaは、個人的に今最も注目している中国のスマホメーカーです。1月に米ラスベガスで開催された「CES 2019」にも出展し、そこでは両面ディスプレイの「Nubia X」が注目を集めていました。
[関連記事]折り曲がるモデルが続々登場!? 2019年スマホトレンド3大予測【CES 2019】
MWCで来場者の注目を集めていたのは、腕時計型デバイス「Nubia α」です。Nubia αは4インチの折り曲がる有機ELディスプレイを搭載し、通話をしたり、メッセージをチェックしたりできることはもちろん、カメラを搭載し、写真を撮ることもできます。しかも、画面に触れずに、手をかざして画面を切り替えたりできるジェスチャー操作機能も備えています。
「スマホ」と書きましたが、厳密には「スマホ」と呼べないケースもあります。Nubia αにはBluetoothモデルとeSIMモデルがあり、Bluetoothモデルはスマホと連携させて使う仕様。要するにスマートウォッチです。しかし、eSIMモデルはNubia α単体で4Gのモバイルデータ通信が実現します。これはスマホと呼んでも差し支えないでしょう。
価格はBluetoothモデルが449ユーロ(約5万6000円)。4GのeSIMモデルは549ユーロ(約6万9000円)で、18金メッキモデルは649ユーロ(約8万1000円)。決して安くはありませんが、未来感を味わえるデバイスでした。
Nubiaは、ここ数年来、積極的にグローバル展開を進めているメーカーで、一時期、日本語のホームページを準備し、日本参入を予感させる動きも見られました。残念ながら、そのページは更新されていませんが、参入を期待できるメーカーのひとつではないかと思います。先述の「Nubia X」やゲームに特化したスマホなど、個性的なモデルを続々とリリースしています。「Nubia」の名前は、覚えておいて損はないと思いますよ。
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(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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