そもそも鋳物ホーロー鍋といえは、ルクルーゼやストウブが有名。そんな中、2010年に初めての国産鋳物ホーロー鍋として登場したのがバーミキュラだ。その唯一無二の魅力といえるのが、鋳物ホーロー鍋ながら無水調理ができることにある。
通常、無水調理というと、緻密に製造できるステンレス鍋が中心。鋳物ホーロー鍋は、鋳型に千数百度に熱した鉄を流し込んで成形する関係で、どうしても無水調理に欠かせないコンマ単位での密閉性を確保するのが難しかったのだ。
しかし、バーミキュラはそれを実現した。メーカーである愛知ドビーが元々、自動車や船舶用で使う高精度の部品を作っていた関係で、鋳物作りと同時に精密加工の技術を持っていた。このふたつの技術を組み合わせることで、無水調理がでできる高い密閉性を確保した、鋳物ホーロー鍋が実現した。
これまでバーミキュラはその製造の難しさ故、注文から届くまで1年以上かかる期間が長く続いていた。このためオススメの調理器具としてレコメンドされることが少なく、また販売ルートもメーカー直販に限定されてきた。
しかし、その状況も変わった。製造期間が長くかかる理由となっていた工程も改善され、ようやく注文後すぐに購入できるようになり(ネーミングサービスの利用時は納期約2ヶ月)、蔦屋家電や大手量販店の一部店舗などでの販売も実現。
そして従来ラインナップの待ち時間がなくなったからこそ、ラインナップが増やせるようになったのだ。
今回登場したのはOven Pot Round #26と、#26 SUKIYAKIの2モデル。#26は丸鶏を一羽そのまま使ったローストチキンが調理できるほか、おでんやカレーなどを大家族やパーティ向けにたっぷりと作ることができる。
従来の#22ではちょっと量が足りないといったニーズに最適だ。
また、高さ13cmの浅底の「#26 SUKIYAKI」はその名前の通り、すき焼きなどの鍋料理にぴったり。また、炒め調理やアクアパッツアのような蒸し料理でも活用できる。
使っていて楽しくなり、さらにより美味しく調理できるバーミキュラ。来春には14cmも発売を予定しており、ラインナップは一気に6種類まで拡大する。どの組み合わせを用意するか、また、多彩な色の選択も含めて、作りたいメニューを思い浮かべながら悩む時間もまた楽しそうだ。
(文/コヤマタカヒロ)
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