[11] Apple Pencilのパレット表示が新しくなる
ソフトウェアの最適化によって、Apple Pencilの遅延速度が20msから9msに改善。また、パレットのUIも刷新されます。新しいパレットはApple Pencilを使っていると自動で表示され、画面上の好きな場所に配置できます。
なお、ディベロッパ向けに「PencilKit」が提供されたので、サードパーティアプリでも、簡単にApple Pencil対応にできることもポイント。
[12] Apple Pencilでスクリーンショットが撮れる
Apple Pencilで、画面の四隅から中心に向かってペン先をスワイプすると、スクリーンショットが撮影されます。その後、「Full Page」を選択すれば、縦長ページの全体を一枚の画像として保存できるようになります。
[13] Macにつなぐと拡張ディスプレイになる
これは厳密に言うとiPadOSではなくmacOS Catalinaの機能になりますが、USBまたはBluetooth経由で接続したiPadを拡張ディスプレイとして使用できます。接続したiPadの画面は、Apple Pencilでの操作にも対応するので、mac向けのソフトウェアを使いつつ、液タブのように絵を手描きが可能。パソコンとの2台持ちでもiPadを携帯するメリットが上がります。
一応従来もDuet Displayのような有料アプリケーションを使用すれば同じようなことができましたが、標準機能でこなせるように。
[14] テキスト選択が簡単にできるように
画面に触れた指の動きで、カーソルを操作できるようになります。また、指でなぞるだけで、テキストの選択範囲指定も可能に。マウスやトラックパッドでの操作方法に似ていますね。
[15] コピペは指3本でピンチイン&アウト
テキストのコピーは、従来は選択したテキストをさらにタップし、操作メニューを表示し、「コピー」を選ばなくてはいけませんでした。しかし、新しいiPadOSでは、これをジェスチャー機能でスマートに行えます。3本指でピンチインすると、選択していたテキストをコピーできるようになります。反対に、3本指でピントアウトするとペーストが実行されます。
[16] UNDO操作は指3本で左スワイプ
新しいiPadOSでは、指3本で左スワイプすることで、UNDO(直前の操作を取り消し)操作を行えるようになります。従来、UNDO操作には、「シェイク」を利用する必要がありました。iPhoneなら問題ないのですが、iPadは大きいし、キーボードを装着しているときには、なおさら持ち上げて振るのが難しかった。一見地味な機能ですが、使い勝手は大きく改善されるので重要な変化だと言えます。
[17] 片手で扱いやすいフローティングキーボード
iPadOSでは、2本指でのピンチイン操作で新しいフローティングキーボード表示に切り替えられるように。コンパクトで分割されていないキーボードが画面端に表示されることで、片手でも文字入力が行いやすくなります。
そもそも、USB Type-Cを備えるiPad Proでは、ソフトウェアキーボードを分割して表示することはできず、片手操作がしづらいという特徴がありました。そう言う意味で、こちらも歓迎したい新機能です。
[18] キーボードショートカットも増えた
Safariやファイル操作において、macOSと同様のキーボードショートカットに対応します。物理キーボードを利用する際に、よりPCライクな操作が可能になるでしょう。
[19] フォントをインストールして管理できる
App Storeからフォントを入手して、iPadOSのシステム全体で利用することができるようになります。モリサワなどの汎用性の高いフォントも対象に含まれているので、デザイン関連の仕事をする人にとってはまさに朗報。……とはいえ、システム全体と言いつつ、サードパーティ製アプリでの扱いがどうなるのかは気になるところ。
[20] Safariでダウンロードマネージャーが使える
Safariもアップデートされます。PCサイトがそのまま表示できるほか、ダウンロードマネージャーも完備しており、よりMacに近い感覚で操作できるようになります。
* * *
根本はiOSと共通するといいつつも、こうして確認してみると、iPadシリーズでのエクスペリエンスは、やはりiPhoneやiPodとはかなり異なります。iPadOSとして独立するのも納得です。
とにかく従来iPadをパソコン代りに使いたかった人にとって、痒いところに手が届くアップデートが盛りだくさん。秋の正式リリースが待ち遠しいですね。
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。