このモデルは1985年にリリースされた「ナイキソックレーサー」を先祖に持つ。ナイキソックレーサーは、サンダルに留め具をあしらったようなシンプルな構造が特徴で、ランニングシューズの概念を覆すモデルとして名を馳せた。足を自由かつ自然に動かせるナチュラルモーションという考えをデザインに織り込み、「ナイキ フリー」というジャンルを築き上げたことでも知られている。
新作のフリー ソックフライは、ナイキ フリーの系譜を継ぐモデルにあたる。シームレスなメッシュ素材のアッパーは足の動きをスムースに促し、通気性にも優れている。履きやすさとフィット感を考慮したベルクロストラップを採用するあたりもナイキソックレーサーのDNAをひしひしと感じる。アウトソールにはフリー3.0ソールを採用。サイプ(深い切れ込み)とフレックスグルーブ(深い溝)が特徴で、あらゆる方向にフレキシブルに屈曲するソールだ。
ちなみにナイキ フリーシリーズのソールには3.0や5.0といった数字がつく。この数字は、0ほど素足に近く、10.0が従来のシューズという指標を意味している。つまり3.0はかなり素足の感覚で履けるシューズといえるのだ。
クッション性、通気性、フィット感は最上級に気持ちいい。何よりハダシのような履き心地は別次元の感動をもたらす。もうひとつの皮膚をまとったかのように足と一体化し、ついついシューズの装着を忘れてしまうほどだ。機能性追求派のスニーカーファンなら注目すべき1足である。
NIKE
フリー ソックフライ
1万800円
サイズ/24.0~30.0cm
カラー/2カラー(1)ブラック/ピンクフラッシュ/ツアーイエロー/ホワイト (2)ブライトクリムゾン/ガンマオレンジ/ユニバーシティレッド)
(文/高橋政喜)
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