自宅のIHでも“かまど飯”が炊ける!釜浅商店の南部鉄器「ごはん釜」が登場

■うどん釜をベースに新たな釜を開発

東京・合羽橋にある釜浅商店は、もともと「熊澤鋳物店」の名で釜専門店として創業しました。これまでさまざまな釜を出してきましたが、意外にもごはん専用の釜はなかったそうです。

▲釜本体のサイズは直径21cm(つば外形26cm)×高さ9.5cm、重さは3.1kg。3合炊きとなっている

南部鉄器でできたうどん釜とスプルス釜蓋をセットにして「釜浅の南部鉄ご飯炊きセット」として販売しており、このセットをベースに今回のごはん釜は誕生しました。

▲釜浅商店オリジナルの釜揚げうどんの釜。南部鉄器を使うのは今回のごはん釜にも踏襲された

横に広がった独特の形状がポイントで、こうすることで熱が均等に伝わりやすく、かまどに近い熱効率を実現できます。しかも、ガスコンロだけでなく、IHコンロでも使えるのは大きな魅力。

▲ツバに返しがあるので、吹きこぼれた際にコンロを汚さない

ごはん釜自体は南部鉄器でできています。南部鉄器を使うことで、調理時に温度の調節がしやすかったり、高い蓄熱性で蒸らしてごはんをふっくら仕上げたりできるのが特徴。鉄瓶と同じように「釜焼き」という処理を施されており、鉄分補給のしやすさと錆びにくさを両立しています。

▲900度以上の高温で焼き付けることで、釜の内側にサビに強い磁性酸化膜を作る。塗装が剥がれてごはんに入る心配もない

 

■木曽サワラを使った木製の釜蓋を採用

ごはん釜で大切なのは、釜だけではありません。今回の蓋にはサワラという木を使用しています、油分が多くて湿気に強く、吸湿性が高いので無駄な蒸気を吸収してくれるそうです。

▲蓋が割れにくくなるように「雇い核継ぎ(やといざねつぎ)」を採用。さらに、釜本体に合わせた溝を入れ、密閉性を高めて米が対流しやすくしている

ヒノキのような強い香りがなく、ごはんに香りが移りづらいのが特徴。寿司シャリなどあとから香りを付けたいときにもぴったりです。

加熱の行程は約30分で、8〜10分沸騰させたら、弱火で10分加熱します。加熱し終えたら火を消して、10分間蒸らせば完成です。

▲鉄釜で炊いたごはんは寿司シャリやおにぎりとの相性がいい

実際にごはん釜で炊いたごはんを食べてみると、米粒がしゃっきりしており、味わいはあっさりしています。炊飯器で炊いたときよりも甘みは控えめな印象です。柔らかめが好きな人は水の分量を増やしたり、沸騰までの時間を長くするといいのだとか。

▲色艶の良さは釜炊きならでは。シンプルなおかずのときこそ、ごはんのおいしさにこだわりたくなる

おにぎりにしてみると、熱々のときとはまた違った味わいになった印象を受けます。ごはんが冷めているほうが、お米の旨みをしっかり感じられる気がしました。

▲冷めたときもおいしいのは釜炊きごはんのいいところ。毎日のお弁当にもぴったりだ

何度も工夫することで自分だけのごはんが炊きあがるのが「釜浅のごはん釜」の魅力。7月1日より「釜浅商店 本店」「釜浅商店 パリ店」のほか「D&DEPARTMENT」「湘南 蔦屋書店」「函館 蔦屋書店」のショップ・イン・ショップで購入できます。価格は2万7000円(税込)。日本ならではのかまど炊きごはんのおいしさを体験してみませんか。

>> 釜浅商店

 


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(取材・文/今西絢美

いまにしあやみ/エディター、ライター

いまにしあやみ/エディター、ライター

編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。

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