発表会に登壇したアイロボットジャパン 代表執行役員社長の挽野元氏は、ルンバシリーズについて「市場シェアが約73%と、去年よりも約10%アップしました」と語る。
「掃除機全体の市場が落ち着いて約0.4%の成長にとどまっているのに対し、ロボット掃除機は約10%の成長を実現しました。ロボット掃除機の存在感を測る上で、(10%の成長率は)1つの目安としてきた数字です。
ロボット掃除機を購入するときは必ずルンバ、ブラーバを候補に入れていただこうという取り組みを深めて、これからも加速していきたいと思います」(挽野社長)
■カメラナビゲーションを搭載し、約60畳まで掃除
「ブラーバ ジェットm6」は「ブラーバ ジェット250」と同様、タンク内の水を噴射しながら付属のウェットパッドを用いて行う水拭きモードと、付属のドライパッドを用いて行うから拭きモードの2つのモードを搭載。
どちらのモードも1回の充電で最大60畳まで清掃できる。「ブラーバ ジェット250」が100mlのタンク容量だったのに対し、新型は約450mlとかなり大型化を実現したのが大きな特徴だ。
注目したいのは、ブラーバシリーズとして初めて本体にカメラを内蔵し、「iAdapt 3.0 ビジュアルローカリゼーション」によるナビゲーション機能を搭載した点にある。
ロボット掃除機「ルンバ」シリーズの最上位モデル「ルンバ i7/i7+」にも採用している、家中の間取りを学習・記憶しながらくまなく掃除する「Imprintスマートマッピング」機能を備えている。
また、ブラーバシリーズとして初めてWi-Fi通信機能も内蔵。スマートフォン向けの「iRobot HOME」アプリを利用することで、外出先から掃除を開始したり、音声アシスタントのGoogleアシスタントやAmazon Alexaを搭載するスマートスピーカーを利用して声だけで掃除をスタートするといったこともできる。
アイロボットジャパン プロダクトマーケティング部長の山内洋氏は「『ブラーバ ジェットm6』は『ルンバi7』の機能をそのまま引き継ぎ、進化させたものです」と語る。
「室内を部屋ごとに記憶し、洗面所などは毎日、家全体は2日に1回といったように、家庭環境に合わせた掃除方法を設定できます。最大10フロアまで記憶できるため、2階に置いたら(ルンバやブラーバ ジェットが)混乱するということもありません。ブラーバ ジェットは、『ルンバi7の拭き掃除版』と言った方がいいかもしれません」(山内氏)
ルンバ i7シリーズユーザーとしてうれしい機能は、ルンバとブラーバ ジェットの連携機能だろう。新搭載の「Imprintリンク」機能は、ルンバi7シリーズがフロアを掃除した後に「ブラーバ ジェットm6」を自動的に起動し、ゴミやホコリをしっかりと取り除いた後に拭き掃除をしてくれるようになった。
また、Imprintスマートマッピングによって作成した部屋の間取り図を基に、「進入禁止エリア」を設けることも可能になる。従来は「バーチャルウォール」と呼ばれるオプション機器を設置することで、一部のエリアを進入禁止にすることができたが、新モデルではアプリ上のマップで進入禁止エリアを設定できるようになる。
この機能はImprintスマートマッピングを搭載するルンバ i7シリーズでも夏のソフトウエアアップデートで実現する予定とのことだ。
現在、さまざまな家電製品がスマートフォンなどと連携するようになってきたが、スマートフォンアプリで操作したり、声で命令したりと、それぞれを個別に操作する必要があった。
しかし、アイロボットのコリン・アングルCEOが描く姿は「System Intelligence」、つまり家の中の機器を把握しているロボットやIoT家電が自動的に連携するスマートホームだと挽野社長は語る。
「家全体がロボットになり、帰宅すると自動的に電気が付いて、エアコンの温度も自動的に設定され、好きなドリンクがロボットによって運ばれる」(挽野社長)というのが、一つの理想の姿だという。
ルンバが掃除機がけを自動化するだけでなく、終了したらブラーバ ジェットが水拭きでしっかりと床の汚れを落としてくれる。現状ではまだこの2つが連携しただけとも言えるが、家の中を常にきれいにしてくれるスマートホームの理想の姿へ、さらに一歩踏み込んだと言えるだろう。
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(取材・文/安蔵靖志)
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