■コンテンツビューワーとしても進化
iPhone 11 Pro/11 Pro Maxのディスプレイには、「Super Retina XDRディスプレイ」という名のOLEDが使われます。
輝度のピークが2つあるのが特徴で、太陽光下などで画面を表示する場合は最大輝度800ニトに、ダイナミックレンジを拡張したコンテンツを使用する時には最大輝度1200ニトになります。iPhone XSが652ニト(625cd/m2)だったことを考えると相当明るくなっていますね。
また、コントラスト比も2,000,000:1になり、iPhone XSの1,000,000:1と比べて2倍に。HDRの映像をより鮮明に体験できます。ちなみに規格については「Dolby Vision」と「HDR10」への対応が仕様に明記されています。
オーディオに関しては、臨場感溢れるサラウンド体験を実現するという「空間オーディオ」に対応。「Dolby Atmos」もサポートしており、対応コンテンツでは立体的な音響を再現します。
ちなみに、ディスプレイに関してもうひとつ触れておくと、3D Touchが非搭載になり、iPhone XRと同様「触覚タッチ」が採用されたこともトピックです。
■バッテリー持ちが一気に伸びすぎ
“バッテリー駆動時間は1時間でも長くしたい。そこで、5時間増やしました”——と公式サイトで謳われているバッテリーの進化に触れないわけにはいきません。
正確には、iPhone 11 ProがiPhone XSより最大4時間長いバッテリー駆動時間を、iPhone 11 Pro MaxがiPhone XS Maxより最大5時間長いバッテリー駆動時間と表記されています。ただし、オーディオ再生の連続駆動時間の公称値を比較するとそれ以上に伸びていましたので、使用条件によっては、従来より5時間以上もバッテリーが持つということも十分あり得るでしょう。
こうした高いスタミナ性能は、電池消費の多い撮影機能をウリにしたiPhone 11 Proシリーズならではの特徴。新しいディスプレイがエネルギー効率を15%向上させ、iOS13やA13 Bionic、専用のPMU(パワーマネッジユニット)などの働きにより、効率的な処理が行われることで実現しています。
また、同梱品の18W電源アダプタを使うことで30分で最大50%の充電が行える高速充電をサポートしたこともポイント。同梱ケーブルはUSB-C - Lightningになりましたが、iPhone側の端子はLightningのままです。
■通信機能の進化も見逃すなかれ!
iPhone 11 Proシリーズは、新たにWi-Fi 6(802.11ax)をサポートします。これによって、コンテンツのダウンロードが最大38%高速に。
また、10月1日から利用できる機能として、iPhoneの向きによってAirDropでファイルを優先的に
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オンラインのApple StoreにおけるiPhone 11 Proシリーズの価格は、「下取りに出すiPhone」の有無で変わります。下取り無しの場合には、iPhone 11 Proが10万6800円(税別、以下同)から、iPhone 11 Pro Maxが11万9800円からとなります。
下取りを利用する場合には、下取りに出すiPhoneによって割引額が変動します。例えば、発売2年目を迎えるiPhone 8を下取りに出すと最大2万3350円が上記から割り引かれます。
今季は大手キャリアの割引が期待できない背景もあります。こうした下取りを活用して入手することも、現実的な選択肢として検討しておきましょう。
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(取材・文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。