機能と価格のバランス良し!「iPhone 11」のアップデートをザッとおさらい

■デュアルカメラのiPhoneだけど、XSとはちょっと違う

iPhone 11は今季の標準になる6.1型モデル。仕様上のサイズは、筐体サイズ・質量ともに昨年のiPhone XRと全く同じです。カラバリが豊富なことも共通しており、PRODUCT REDモデルを含めて共に6色ありますが、「ブルー」と「コーラル」はなくなり、「パープル」と「グリーン」が新色として追加されています。

iPhone 11 Proシリーズがトリプルカメラを搭載したのに対し、こちらはデュアルカメラを備えます。これらは超広角と広角の2種類で、望遠レンズはありません。

  • 超広角:1200万画素、ƒ/2.4、120°視野角
  • 広角:1200万画素、ƒ/1.8

iPhone 11のカメラで利用できる機能は、iPhone 11 Proシリーズと実はさほど違いがありません。例えば、下記のような撮影機能や操作方法はiPhone 11でも共通して利用できます。

  • 画角120°の超広角撮影
  • ポートレート撮影での新エフェクト
  • 進化したスマートHDR
  • 「Deep Fusion」に対応
  • 「QuickTake」で動画撮影に切り替え可能
  • 4K/60fpsでの動画撮影
  • 光量が少ないシーンで自動で有効になる「ナイトモード」
  • インカメラでの120fpsのスローモーション

▲超広角レンズによる撮影が行える

▲光量が足りない場所では「ナイトモード」が自動で有効になる

▲ポートレートモードではペットなど、人以外の生き物やモノも認識されるように

一方、iPhone 11には望遠カメラがありません。そのためデジタルズームを利用した際には画質が落ちてしまいます。「食事や小物の写真を撮るときに手元の影が入りやすいので、望遠機能をよく使う」という人や、「少し離れた場所から猫の写真を狙う」という人などは、この点に注意しましょう。しかし、望遠にそこまでこだわりがないのであれば、機能的にはiPhone 11 Proシリーズとの差はあまりありません。価格を抑えられる分、iPhone 11を選ぶ方がメリットは大きいと言えます。

ちなみに、iPhone 11 Proシリーズに関するカメラ機能は、別記事にて解説しています。共通する撮影機能の詳細はこちらの記事を参照してみてください。

[関連記事]3眼カメラの「iPhone 11 Pro」、スマホの“プロ仕様”ってこういうことか!

なお、iPhone 11のTrueDepthカメラは1200万画素。従来機より広い画角を撮影できるようになり、Face IDの認証範囲も広がりました。認証精度も30%向上したとのこと。

 

■iPhone 11は液晶ディスプレイを採用

iPhone 11の側面はアルミフレームで、背面は1枚のガラス板から作られています。前面および背面のガラスは、二重のイオン交換プロセスで強化されており、「スマートフォンの中で最も頑丈なガラス」を謳います。

ディスプレイは輝度は625ニトの「Liquid Retina LCD」を搭載。広い色域とTrueToneにより正確な色味を再現します。新型のOLEDを採用したiPhone 11 ProシリーズのようにHDRには対応していません。

また、同機はIP68等級の耐水性能を備え、最大水深2mで、最大30分間の浸水に耐えます。iPhone XRはIP67で最大水深1mで30分間耐えられたので、ここも進化しているポイントです。ちなみに、真水だけでなくコップを倒してジュースなどが掛かってしまっても壊れにくくなっています。

オーディオは、音の位置関係をシミュレーションし対応コンテンツの臨場感を高める「空間オーディオ」に対応。加えて「Dolby Atmos」をサポートし、対応コンテンツを再生する場合には、臨場感のあるサラウンド体験を実現します。

 

■チップセットはiPhone 11 Proシリーズと同じ

チップセットは、プレミアムモデルであるiPhone 11 Pro/11 Pro Maxと共通して「A13 Bionic」を搭載します。A12と比べると、CPUおよびGPUの性能が最大20%高速化しています。また、同チップセットは、リアルタイムでの写真やビデオの分析を行なうNeural Engineや、1秒あたり1兆を超える演算処理を行える機械学習アクセラレータを搭載するなど、機械学習に適した設計になっていることが特徴です。

僅かながらバッテリー持ちも向上。連続ビデオ再生はiPhone XRが最大16時間でしたが、iPhone 11では+1時間の最大17時間に。また、18W以上の充電アダプタを使用すれば、30分で約50%の高速充電が可能です。ただし、iPhone 11 Proシリーズとは異なり、こうした充電アダプタは同梱されません。

新搭載のU1チップによって、空間認識のための超広帯域テクノロジーも利用可能に。9月30日にリリース予定のiOS 13.1では、端末が向いている方向を認識し、AirDropでのデータ送信相手を端末の向きで見つけやすくなるといいます。

そのほか、通信に関してはeSIMに対応し、ギガビット級のLTEやWi-Fi 6をサポートする点にも注目しておきましょう。

*  *  *

オンラインのApple Storeでの価格は、下取りの有無で変わりますが、下取りなしの場合、最小構成の64GB・Wi-Fiモデルで7万4800円(税別)〜。機能・価格のバランスを見るに、多くのiPhoneユーザーが今季狙うべきモデルと言えそうです。

>> Apple「iPhone 11」

 


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(取材・文/井上 晃

いのうえあきら/ライター

いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。

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