本体にも面白い仕掛けが。「NW-A100TPS」には“カセットUI”が仕込まれていて、専用ソフトケースの窓からカセットテープの回る様子まで再現してくれるんです。
ソニーが純正で作るのだから、カセットのUIも超本格派。画面に映るカセットは、全てソニー製品として実在した全9種類のカセット画面がモデル。実はこの画面の中身は、再生している音源のコーデックとビットレートによってノーマルテープ、ハイポジテープ、メタルテープ…とテープの種類まで入れ替わる代物。開発段階では、どの音源に何カセットが相応しいのかなど、技術者のこだわりがすごかったとか…。
どう考えてもIFA 2019のソニーの目玉でしょ! って言いたい”WALKMAN”ですが、プレスカンファレンスで存在すら発表されず、会場内の1コーナーに出展されていたのみ。でも、欧州メディアの人も目ざとく見つけて、もう殺到して写真を撮りまくっていました。
欧州では数量限定モデルとして11月に発売予定で440ユーロになる予定。日本での発売は未定ですが、お膝元の日本で出ない訳がないですよね! 発売決定の際には予約必須だと思います!
■新ウォークマンAはAndroid化、USB Type-C端子対応に
”40周年記念モデル”のベースモデルにあたるハイレゾ対応のウォークマン Aシリーズ「NW-A105」もリニューアルして登場します。大きな変更点が2つ。
最大のアップデートはOSのAndroid 9.0化。通話こそできませんが、スマホのようにアプリを入れて、Spotifyなどの定額音楽配信にアクセスできます。定額音楽配信もWi-Fi下でダウンロードすれば、外でも聴けますもんね。欧州ではロスレスのTIDALやDEESERのサービスも人気です。
音楽プレイヤーは”W.ミュージック”を提供。GooglePlayも標準で搭載されているので、好きな音楽配信アプリを入れたり、YouTube、ゲームなどもインストールもできます。
そしてなんと、ウォークマン専用のWMポートが廃止され、外部接続端子がUSB Type-Cに。これで汎用性も一気にアップするというか、まさにAndroidの汎用端末になっているイメージです。もちろん高音質設計は従来どおりのウォークマン。フルデジタルアンプ“S-Master HX”搭載のハイレゾ高音質、ワイヤレスでもハイレゾのLDACコーデック対応、MP3やCD音源をハイレゾアップスケーリングするDSEE HXも搭載。Bluetoothによる音楽再生はハイレゾ級高音質のLDACコーデック、AACコーデックにも対応しているのでワイヤレスでも安心。DSD(11.2MHz、リニアPCMへの変換再生)や192kHz/24bitのLPCM音源の再生にも対応します。
欧州モデルの「NW-A105」は16GBメモリ内蔵に加えてmicroSDスロットも搭載。連続再生時間は最大20時間。欧州では10月に発売予定で350ユーロと、こちらも期待の高まる最新モデルですね!
■ポータブルオーディオ愛好家向け“ZXシリーズ”もリニューアル
ウォークマンと言えば、ポータブルオーディオ好きに設計された高音質シリーズ“ZXシリーズ”も外せません。IFA 2019で発表れたハイエンドDAPとなる「NW-ZX507」も、やっぱりAndroid 9.0を搭載して汎用性と定額配信へのアクセスルートを確保。こちらもUSB Type-C端子に変更されています。
フルデジタルアンプ“S-Master HX”の再生音源がDSDネイティブ再生(11.2MHz)や384kHz/32bitのLPCM音源とグレードアップしています。DSEE HXやLDACによるハイレゾ再生も共通です。
そして、4.4ミリのバランス出力対応。最近ポータブルオーディオ界隈では4.4ミリ出力の音質の良さが評価されているので、これは欲しいかも。いつもどおりの削り出し筐体に、同ブロックの採用、高音質はんだなど、とても書ききれないくらい徹底した超高音質設計です。
欧州モデルである「NW-ZX507」の内蔵メモリは64GBでmicroSDスロットも搭載。連続再生時間は20時間。超高音質と音楽配信対応、今のポータブルオーディオの両極をカバーするモデルを作れるのはソニーだけかもしれませんね。欧州では11月に発売予定で830ユーロです。
>> ソニー「ウォークマン」
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(取材・文/折原一也)
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