同社が注目しているのは、インドネシアなどの“アジア市場”が中心。ARATASでは、「デバイス」「UI」「コンテンツ」の3つの側面からこうしたマーケットに進出していく考えです。
スマホはメディア。コンテンツでビジネスを展開
グートのCEO横地俊哉氏(元ニフティ)は、ARATASのビジネスモデルについて語りました。細かい点は端折りますが、ざっくりまとめると、『近年、グローバル市場では低価格なスマホが高いシェアを出しているが収益性が低い点が問題 → そこで、スマホ自体をメディアと捉え、そこでコンテンツビジネスを展開し、格安端末で収益を挙げられるようにする』というものです。
横地氏によれば、東南アジアなどで展開するローエンド端末では、端末の「UI」や「広告コンテンツ」の提供が追い付いていないのが現状とのこと。そこで、同社がアドバイザーとなり、多様な端末メーカーと組みながら「UI」や「広告コンテンツ」を提供していくといういわゆる「プラットフォームビジネス」の展開を図る予定です。なお、広告事業ではモバイル広告大手のInMobi(インモビ)と提携しています。
低価格で端末を提供し、普及を狙う
グートの端末は、契約する海外の端末メーカーが製造・販売するという方式を採用します。シリーズ展開はLTE対応ミドルレンジ機の「KAZE(カゼ)」と3G対応ローエンド機の「NAMI(ナミ)」を予定。今回発表されたのは、KAZEシリーズに相当する「K01」(160米ドル)と「K02」(140米ドル)でした。ともに販売価格は2万円を切ると予想されます。「NAMI」は100米ドルを切る勢いです。
K01/K02のデザインを担当したのは、元amadanaデザイナーの鄭秀和氏が代表を務めるインテショナリーズ。やや丸みを帯びた優しいフォルムが特徴的な端末となりました。
また横地氏曰く、「端末そのものには(ガジェット的に)目新しいところが少ないが、海外展開では日本製のデザインという“ブランド感”が重要」とのこと。
K01/K02の現状の販売予定国は、インド、インドネシア、フランス、フィリピン、スペイン、南米、北米、シンガポール、台湾、香港、マレーシア、バングラデシュ、ベトナム、日本となっています。発売は海外市場先行で、日本には成功後に逆輸入するという計画。国内の販売がある場合も、早くて夏以降とのことです。
なお、今回端末製造を担当するメーカーは中国の「Kingtech Mobile」。約10カ国で年間30~50万台の販売を計画しています。
Go+oute(王手:checmate)=「IT市場の大手にチェックメイトをかける」という意味が込められた「Gooute」。日本発ベンチャーとしての海外市場への一手目に注目です。
(文/井上 晃)
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