富士フイルムのデジタルカメラは独特だ。「写真画質」にこだわったフィルムテイストの仕上がりを追求し、搭載するレンズも利便性より写り優先。画づくりにこだわる写真好きのための趣味性の高いカメラといえる。
専用設計された新開発の広角フジノンレンズは、焦点距離18.5mm(35mm判換算で28mm相当)、開放F値2.8、ズームがない単焦点レンズ。風景からスナップまで、日常的な撮影を十分カバーする。
デジタルズームにより、35mm相当、50mm相当の撮影もできる。ひと昔前ならデジタルズームの画質劣化を嫌う人もいるだろう。が、スナップやweb、プリント写真レベルでは問題なし。
むしろ、単焦点にすることで画質重視、小型化を実現しているので、そのほうが断然プラスだ。
独自開発のAPS-Cサイズ大型センサー「X-TransTM CMOS Ⅱ」と画像処理エンジン「EXR プロセッサーⅡ」により、最速0.1秒の高速AFと高いレスポンスを実現。
ボディは同社のAPS-Cサイズセンサー搭載機では最軽量となる340gのコンパクトボディ。本体やダイヤル部分にアルミニウム素材を採用し、上質感と軽量化を両立した。
また同社独自のカラーモード「フィルムシミュレーション」を搭載、選択できるモードはクラシッククロームをはじめ合計11種類。フイルムを選ぶように多彩な色表現を選択できる。
チルト式のタッチパネル液晶とダイヤル装備で、直感的でわかりやすい操作を実現。液晶モニターに180度回転チルト式を採用することで自分撮りやハイアングルからの撮影も可能にしている。
ポケットサイズながら、フィルム時代からのカメラファンもそうだが、このデザインは年齢を問わず魅力的。さらに十二分に満足できる性能。日常使いに最適な一台になりそうだ。
(文/&GP編集部)
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