■遊び心あふれる内外装デザインは新型でも健在
新型ハスラーのボディサイズは、軽自動車規格いっぱいの全長3395mm、全幅1475mm、全高1680mm。従来モデルよりも全高が15mm高くなり、乗る人の頭回りの余裕が増しています。また、ホイールベースはなんと35mmも延び、スペーシアと同寸の2460mmに。リアタイヤの位置が後退し、リアシートのスペースが拡大しています。
土台となるプラットフォームは、スズキ自慢の“HEARTECT(ハーテクト)”。頑強かつ軽量な構造で、上屋たるボディにも断面に沿って環状に骨格を作る構造を採用し、安全性をさらに向上させました。車体各部に専用の接着剤、ルーフ部分にシーリング材を用いることで、剛性や静粛性の向上を図っている点も新しいですね。
エクステリアは、直線基調でスクエアな基本骨格となり、グッとタフで力強い印象に。リアドアの後ろにクォーターガラスが追加された“6ライトキャビン”になりました。ツートーンカラーのボディ色では、ルーフ、リアピラー、リアガラス周りを別色のペイントにしているのが斬新。前後フェンダーとサイドシル部分にも同じ色を使い、全体のまとまりをつけています。凝ったカラーリングですね。
2色使いは、インテリアでも反復されています。インパネ回りには、アクセントカラーで“三連フレーム”こと3つのリングが描かれ、フロアコンソール(物入れ)やドア、シートの一部にも、同じ色が使われます。インテリアのテーマは、「タフでプロテクトされた機能感」なのだとか。
センターコンソールにはオプションとして、9インチのモニターを設定。車両情報やクルマの周囲の様子を映すほか、スマートフォンと連携したナビゲーションの表示も可能です。
ステアリングホイール奥のメーターパネルにも、4.2インチのカラー液晶が設けられ、速度や回転数、燃料計などのほか、走行モードやナビの方向指示などが表示されます。
車内各部に小物入れやカップホルダー、硬軟のポケット類が設けられるのは、スズキ車ならお馴染みの光景。新型のグローブボックスのフタは、開けるとテーブルとして使えます。
フロントシートは、従来のベンチタイプから左右独立式になりました。左右のシート間には500mlの紙パックを置けるホルダーが設けられ、その後ろには手持ちのバッグを置くことも可能。日常使いで便利そうですね。
延長されたホイールベースやスライド機構などにより、新型ハスラーのリアシートは足下が広々。さらに、リアゲート側からもスライド操作が可能となり、利便性がアップしています。
ラゲッジスペースのフロアは、定評あるはっ水仕様。フロアの下には、取り外し式のラゲッジアンダーボックスが収まるなど、日常の使い勝手に配慮されています。
■エンジンとCVTも新開発するチカラの入ったモデルチェンジ
新型ハスラーは、スズキの重要車種らしく、機関面でも力が入っています。
パワーユニットは、657cc直列3気筒の新開発NA(自然吸気)エンジン(49馬力/5.9kgf-m)と、658ccターボ(64馬力/10.0kgf-m)の2種類。いずれも新開発のCVTと組み合わされ、それぞれにFF(前輪駆動)と4WDが用意されます。
新型ハスラーは全グレード、制動時にエネルギーを回収するマイルドハイブリッド仕様。NAエンジンは高効率化を押し進め、CVTも同様に、効率を追求して軽量化されました。また4WD車には、新たにスノーモードを追加。エンジンの特性が穏やかになり、ブレーキの制御もモード専用になります。
予防安全技術である“スズキセーフティサポート”は、最廉価グレードを除き、標準で装備されます。スズキセーフティサポートには、デュアルカメラを用いての夜間の歩行者検知、道路標識の認識、ヘッドランプの照射範囲を自動で切り替える“ハイビームアシスト”のほか、自動ブレーキと連動して後方への誤発進を抑制する“後退時ブレーキサポート”も含まれます。さらにターボモデルには、追従式のクルーズコントロールや車線逸脱抑制機能も搭載されています。
新型ハスラーのグレード構成は4種類。気になる価格は、「ハイブリッドG」が128万400円~。「ハイブリッドGターボ」が145万9700円~。「ハイブリッドX」が151万8000円~。「ハイブリッドXターボ」が161万2600円~となっています。
(文&写真/ダン・アオキ)
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