■開くと普通のスマホとして使える
開いた状態での使い勝手は、基本的には普通のスマホと同じ。「なんだ」と思うことなかれ。「フォルダブル」という新しいカテゴリーの端末でありながら、普通のスマホとしての操作性を犠牲にしていないんですよ。片手で電話をかけたり、ウェブを検索したりできて、横向きにして写真を撮ったり、動画を見たり…。縦横比が22:9なので、画面を分割しても、それぞれ11:9のスペースを確保でき、むしろフツーのスマホよりもマルチウィンドウが使いやすそうです。
欲しい! と物欲をくすぐられつつも、気になったのが開閉部分の強度。20万回開閉しても故障しないテストをクリアしているそうですが、実際の開閉操作でも一切不安は感じませんでした。
ディスプレイの表面に折り曲がる極薄ガラスが採用されていることにも要注目。これによってインカメラが画面内に入ったデザインを実現し、フィルムを使った「Galaxy Fold」よりも境目が気にならない印象を受けました。
OSはAndroid 10。CPUはSnapdragon 855+(最大2.9GHz)で、メモリはRAMが8GB、ROMが256GB。1時間程度触れただけですが、操作のレスポンスはキビキビとしていて、ハイエンドモデルらしい使用感でした。ただし、今春開始予定の5Gには対応しておらず、通信対応は4G LTEとWiMAX2+のみ。バッテリー容量は3300mAh。防水・防塵、おサイフケータイには非対応。でも、もちろん「au PAY」は使えます。
■日本での販売価格は、乞うご期待!?
Galaxy Z Flipの発表に合わせて、KDDIの執行役員常務 雨宮俊武氏に、このモデルを発売する狙いについてうかがうことができました。
auは昨年の夏から5G時代を見据えて「au UNLIMITED WORLD」を提唱しています。雨宮氏は「昨年10月に発売したGalaxy Foldに続き、このGalaxy Z Flipも先進性を感じられる端末です。単なる板のスマホから脱却して、新しい価値を提案していきたい」と話していました。Galaxy Z Flipは、5Gには対応していませんが、au UNLIMITED WORLDの一環として、今後も「新しい体験ができる端末を出していきたい」と意欲を示していました。
Galaxy Foldは高額(約24万円)だったのにも関わらず、売れ行きはよく、「目標を達成し、満足度はこれまで販売した端末の中でNo.1」だったそう。「Foldは大きいこともあり、購入者の男性比率が高かったのですが、コンパクトなFlipは女性にも使っていただきたい」とアピールしていました。
「販売予定価格は?」の質問には、「予約開始までに発表します」と回答を濁されました。しかし、「お得にお買い求めいただける施策を検討中」とのことなので、期待しちゃいましょう。
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(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。