シャープは5G時代を迎えるにあたり、「8K+5G」をセールスポイントとしていくようです。「AQUOS R5G」は8Kビデオが撮れる4眼カメラを搭載。撮影した映像を5Gの高速ネットワークでスムーズに共有できるシステムを提供。
といっても、まだ8Kテレビを持っている人は多くはないですよね。そこで、8Kビデオをスマホで見るときにも役立つ機能が盛り込まれています。AIがビデオを解析し、主要な被写体を鮮明な画質なままでズームアップする「8Kフォーカス再生」という機能です。スマホには光学ズームカメラは搭載しにくいですが、高解像度センサーによって、細かい部分まで鮮明に撮影できるわけです。
■カメラもディスプレイも5G仕様
「AQUOS R5G」の4眼カメラは、望遠(12.2メガピクセル/F2.7)+超広角(48メガピクセル/F2.9)+広角(12.2メガピクセル/F1.7)+3D(ToF)センサーという構成です。
メインで使う広角カメラはF1.7の明るいレンズを採用し、ピント合わせが的確で速いデュアルピクセルセンサーが採用されています。8Kビデオの撮影に用いられる超広角カメラは、4つの画像をまとめて1つの大きな画素として使える「クアッドベイヤー」という構造を採用。画質の向上も期待できそうです。
カメラ性能の向上や、5G向けコンテンツに合わせて、ディスプレイにも新しい技術が導入されています。昨年夏に発売された「AQUOS R3」に引き続き、10億色表示の「Pro IGZO」ディスプレイが搭載され、画面サイズは6.5インチ(3168×1400ドット)に進化。輝度はAQUOSスマホ史上最高の1000カンデラを実現。さらに、環境に合わせて明るさや色を最適化する「周辺光センサー」を搭載し、環境に応じてバックライトを制御して白飛びや黒つぶれを抑える新開発の「HDRエンハンサー」も搭載。要するに、どんな環境でも、見やすいキレイな画質で視聴できるとのこと。
シャープは、2021年度中にAQUOSブランドの全てのスマホを5Gに対応させることも宣言しました。ハイエンドモデルだけでなく、お手軽に買える5Gスマホも準備段階に入っているようです。
■最大4Gbpsの「5Gモバイルルーター」も今春発売
5Gの高速通信を利用できる「5Gモバイルルーター」も発表されました。5Gは、「Sub6」と呼ばれる6GHz未満の周波数帯と、「ミリ波」と呼ばれる28GHzなど高周波数帯が使われます。スマホの「AQUOS R5G」は、ミリ波だけに対応していますが、「5Gモバイルルーター」は両方に対応。より速いスピードで通信でき、長期的な使用も見込めるでしょう。
通信速度は受信最大約4Gbpsで、送信最大約0.8Gbps。Wi-Fiの新規格「Wi-Fi6」にも対応し、最大16台を同時接続できるので、家庭はもちろん、小規模のオフィスや店舗などのメイン回線としても活用できそうです。キャリアが販売する予定で、価格は「予想がつかない」とのこと。
シャープの5Gスマホ&ルーターの発表を皮切りに、春に向けて、続々と5Gのデバイスやサービスが発表される見通しです。&GPでの続報にもご期待ください!
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(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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