その秘密は「ヒート=熱」にある。ダニは室温20~30℃で湿度が50~75%のじめっとした環境を好む。ふとんの中に潜むダニを殺すためには、ふとん乾燥機などを用いて内部をしっかりと温めることが重要になる。しかし温めてダニを殺すだけではハウスダスト対策にはならない。生きているダニではなく、粉々になったダニの死がいやフンがアレルギーの元になるためだ。
コロネがユニークなのは、ダニを殺して吸い込むのではないという点。ふとんに掃除機をかけて吸引しようとすると、ダニは8本の足でふとんの繊維にしがみつくため、なかなか吸い取ることができない。しかしダニの嫌がる温度(40℃程度)にふとんを温めると、そこから逃げようとして動き始めるため、吸引しやすくなるという。
ふとんに吹き付ける温風は、掃除機内部のモーターから発生する熱を利用するため、消費電力も280W(最大消費電力530W)と決して高くないのも魅力だ。温風の温度が上がりすぎないように過熱防止機能も搭載しているので、ふとんに対するダメージもないとのことだ。
シャープ独自のプラズマクラスターイオン発生機能も備えており、温風とプラズマクラスターによって枕に付く加齢臭などの気になるニオイも消臭できる。
実勢価格は4万2980円と決して安くはない。しかし約70℃に温められた空気を送り出す「ドライエアブロー」を搭載したレイコップ・ジャパンの最新モデル「レイコップRP」は実勢価格5万9790円とかなり高価格化した。そんな状況もあって、コロネは注目モデルになりそうだ。掃除機市場はまだまだ“熱い”状況が続く。
(文/安蔵靖志)
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