今回、ニューヨーク国際オートショーでお披露目されたのは、4ドアセダンと5ドアハッチ。
北米市場向けはいずれも、生産拠点を日本国内から、北米のインディアナ州SIA(スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ・インク)に移すとのこと。現地での生産開始は、2016年内を予定しているといいます。
ボディサイズは、セダンが全長×全幅×全高=4625×1777×1455mm。5ドアモデルは全長が165mm短い4460mmになるほかは、全幅、全高ともセダンと同寸です。
ホイールベースは2670mm。従来より25mm長いシャーシに、若干長く、幅広く、そして低いボディを載せることになります。“ワイド&ロウ”の、よりスポーティなフォルムに“ダイナミック×ソリッド"を謳うルックスが与えられました。
これまでスバル車の弱点とされてきた、インテリアの質感向上にも積極的に取り組んでいるのが5世代目インプレッサの特徴。インパネ中央には、8インチのタッチスクリーンディスプレイが装備され、アップル社の“CarPlay”や“Android Auto”にも対応します。さらにインパネ上部にはステッチが施され「細部まで造り込まれた質感を提供します」。
今回お披露目された北米仕様のエンジンは、スバルお得意の2リッター水平対向ユニット。もちろん直噴タイプで、これまでの自然吸気エンジンと比べて、約80%の部品が刷新されました。最高出力は、これまでより2馬力アップの152馬力。新たに実施されたパワーユニットの軽量化が、燃費の向上にも結びつくはずです。
組み合わされるトランスミッションは“リニアトロニック”こと電子制御されるCVT。変速比の拡大と軽量化を果たし、全モデルに擬似的なギヤを演出する“オートステップ変速”が採用されました。マニュアルモードは7速です。
駆動方式はいうまでもなく“シンメトリカルAWD”。ボディ、シャーシは各部の剛性を徹底的に見直し、これまでより1.7〜2倍の剛性アップを果たしたといいます。特にサスペンションの取り付け部は徹底的に強化。「ボディをたわませることなく、サスペンションの減衰性能を十分に機能させる」としています。
ちなみに、重心高は従来より5mm低くなりました。ボディの剛性アップと足まわりの進化は、スポーティな走りのみならず、アクティブセーフティの面でも有利に働くことでしょう。
スバル独自の運転支援システム“アイサイト”をはじめ、アイサイト用のステレオカメラを活用してヘッドランプのハイビーム/ロウビームを自動で切り替える“ハイビームアシスト”、ステアリング操作に合わせてヘッドライトの照射方向を変える“ステアリング連動ヘッドランプ”なども装備されます。
新しい安全装備としては、“後退時自動ブレーキシステム”が開発されました。これは、リアバンパー内のセンサーが後退時に障害物を検知すると警告を発し、場合によっては自動でブレーキをかけて衝突を回避、または被害を低減してくれます。また、死角検知機能も、インプレッサとして初めて採用されています。
スバル史上最高レベルの走りを目指して開発された新プラットフォームを得た5世代目のインプレッサ。定評ある走りは、どれほど進化したのでしょうか? 今からドライブするのが待ち遠しい1台です。
<SPECIFICATIONS(北米仕様)>
全長×全幅×全高:4625×1777×1455mm(4ドアセダン)/4460×1777×1455mm(5ドアハッチバック)
駆動方式:シンメトリカルAWD
エンジン:2リッター 水平対向4気筒 DOHC
総排気量:1995cc
最高出力:152馬力
トランスミッション:リニアトロニック(CVT)
(文/ダン・アオキ)
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