今回グランドセイコーから発表されたのは、「コンスタントフォース」と「トゥールビヨン」というふたつの複雑機構を同軸上で一体化させるという、世界で初めての機構を搭載した「T0 コンスタントフォース・トゥールビヨン」。
機械式時計の動力はいうまでもなくゼンマイ。時計の針は、巻き上げたゼンマイがほどける力を利用して時を刻みますが、当然のことながらゼンマイがほどけるとともに発生させる力(
そのひとつが、「コンスタントフォース」と呼ばれる定力装置。機械式時計の精度を司る「てんぷ」と呼ばれる部分に対して、トルクの大小(ゼンマイの巻き上げ量)に関わらず一定のエネルギーを届ける機構です。
また、「トゥールビヨン」とは、通常ムーブメントに対して水平方向に往復運動する
てんぷをはじめとする心臓部をユニット化(=キャリッジ)し、このキャリッジごと
一定の速度で回転させることで、重力によって生じる精度誤差を取り消すための機構のこと。200年以上も前に考え出された技術ですが、高い精度を要する部品製造と組み立て、調整には高い技術が必要とされています。
ともに高度な設計と製造の技術が要求されるふたつの機構。その両方が搭載されているというだけでもかなり珍しいのですが、グランドセイコーが目指したのは、てんぷに均一なエネルギーを届
しかし、通常トゥールビヨンにコンスタントフォースを加える場合は、キャリッジから離れた場所に置くのが一般的。これに対して「T0 コンスタントフォース・トゥールビヨン」では、コンスタントフォースとトゥールビヨンを同軸上かつ一体化するこ
なおこのコンセプトモデルは、本年7月20日に岩手県雫石町にオープンした「グランドセイコースタジオ 雫石」にて、完全予約制にて公開を予定しています。展示では、連続して回転するトゥールビヨンにコンスタントフォースの断続的な回転が追随するユニークな動きとともに、ふたつの機構が刻む音が16ビートの躍動的なハーモニーを奏でる様子を、目と耳とで堪能できます。予約受付開始時期に関しては、後日グランドセイコー公式Webサイトにて案内される予定です。
>> グランドセイコー「T0 コンスタントフォース・トゥールビヨン」特設ページ
<文/&GP>
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