■ゲーマー待望の120Hz駆動ディスプレイを新搭載
ディスプレイは前モデルと同じく約6.1インチでフルHD+の有機ELを採用。横幅は約68mmに抑えられています。「片手モード」にもできますが、そのままの画面表示でも片手で操作できる人が多いでしょう。
注目すべきは、画面のリフレッシュレートが最大120Hzになったこと。1秒間に120回、画面が更新されることを意味し、動きの速い映像でもくっきり滑らかに表示でき、画面を素早くスクロールした際の残像が少ないこともポイント。さらにゲームプレイ時は、残像低減技術によって240Hzにでき、タッチスキャンレートも最大240Hzに進化させています。最近、ゲームに特化した “ゲーミングスマホ” が注目されていますが、Xperia 5 IIは、フツーのハイエンドスマホでありつつ、ゲーミングスマホとしても使えるわけです。
■カメラはフツーじゃない人も満足できる水準に
アウトカメラは超広角(約1220万画素/16mm/F2.2)+標準(約1220万画素/24mm/F1.7)+望遠(約1220万画素/70mm/F2.4)の3眼構成。いずれもZEISSレンズを搭載し、描写の忠実性を向上させ、フレアやゴーストを抑えるなど、画質向上が図られています。前モデルでは光学2倍ズームで撮影できた望遠カメラは光学3倍に進化しています。
ソニー独自の「リアルタイム瞳AF」は、人物だけでなくペットの瞳にもピントを合わせられます。AE/AF追従で最高20コマの高速連写も可能。デジタル一眼で撮るような感覚で、細かいマニュアル設定が行える「Photography Pro」にも対応。通常の「カメラ」アプリでも十分満足できる画質で撮れますが、さらに自分ならではの味わいを出したい人のニーズにも応えてくれます。
前モデルから引き続き搭載されている「Cinematography Pro」では、世界で初めて4K HDRの120fpsのスローモーション撮影ができるようになりました。ビデオ撮影においても、現行機種ではトップクラスの性能に達したと言えそうです。
■内蔵スピーカーでもワイヤレスイヤホンでも高音質で聴ける
従来モデルからセールスポイントにしてきたオーディオ性能も大幅に進化しています。フロントステレオスピーカーの配置を見直し、左右均等にバランスよく前方に音が響くようになりました。同時に、ソニー・ミュージックエンタテインメントとの協業により、チューニングを見直し、よりオリジナル音源に近い迫力ある音質で聴けるように進化。実際に前モデルと聴き比べたところ、ボーカルの音声がより明瞭になり、低音域の迫力が増したように感じました。
3.5mmのイヤホンジャックを搭載し、お気に入りのヘッドホンで音楽を試しめることも利点。ストリーミングサービスでも、ワイヤレスイヤホンを使った場合でも、あらゆる圧縮音源をハイレゾ相当の高音質にアップスケールできる「DSEE Ultimate」にも対応。さらに、ソニー独自の全方位から音に包まれる体験ができる「360 Reality Audio」にも対応しています。
■第一印象はコンパクト&パワフル
CPUはSnapdragon 865 5Gで、RAM(メモリ)は8GB。約6.5インチの4Kディスプレイを搭載する上位モデル「Xperia 1 II」と同じスペックです。内部ストレージ(ROM)は128GBと256GBのモデルが用意されますが、日本でどちらが販売されるかは未定。
コンパクトながら4000mAhの大容量バッテリーを内蔵しているので、電池持ちも期待できそうです。最短30分で約50%を充電でき、Xperia独自の省電力機能「STAMINAモード」や、バッテリーの寿命を長くする「いたわり充電」にも対応しています。
短い時間ながら、いち早くXperia 5 IIに触れることができました。コンパクトかつスリムで、「これで本当に5Gなの?」と思うようなサイズ感。されど、高性能でパワフルな端末であることは触れてすぐに実感できました。21:9の縦長画面を分割して使える「マルチウィンドウ」も、より便利に使えるように進化していました。
日本での発売日や価格は発表されていませんが、近いうちに、大手キャリアの秋冬モデルとして発表されるのは確実でしょう。また、前モデルのXperia 5はSIMフリー版も発売されているので、いずれはSIMフリー版も出るかもしれませんね。
>> ソニーモバイル
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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