シャープは4月14日、モバイル型ロボット電話「ロボホン」の発売について正式に発表を行いました。実はこのロボホン、昨年10月に発表されており、「CETEAC JAPAN 2015」や「国際ロボット展」などでも展示されていたもの。業界ではすでに話題になっていました。
今回の発表会では、発売日や価格、購入後のサポートなどが明かされています。
スマホだけど、やはりちょっと違う
ロボホンの全長は19.5cm、体重は約390g。13個のサーボモーター使用し、2本足で立ったり、動いたりできます。手の平に乗るサイズですが、実際に持つとずっしりとした重みを感じました。
操作方法は音声が基本です。また、背面のディスプレイでタッチ操作することもできます。ただし、手に持ちながら操作しているとたまに動いてビックリします。
OSにはAndroid5.0を搭載していますが、Googleアカウントに登録してある連絡先などを同期することはできません。また、Playストアのアプリにも非対応。利用できるのは、ロボホン専用のアプリのみとなります。
なお、公式ページで紹介されている標準アプリは「電話/電話帳/メッセージ/ロボ情報/設定/アラーム/カメラ/アルバム/リマインダー/検索/地図/ロボホン/天気/ニュース/音楽・動画/ぼくに質問/使い方ガイド」の17個。
ちなみに、ロボホンで使用するメールアドレスは自動で付与されます(アドレスの変更はできません)。
サードパーティ製のアプリは、6月末より順次配信予定です。デモではタクシーを呼び出すアプリや料理のレシピを検索するアプリが紹介されていました。
音声操作では、「ロボホン、立ち上がって」のように声を掛けますが、実は設定でロボホンのあだ名をつけることも可能。また、持ち主やその家族、友人の顔を撮影し、登録することで、顔を判別できるようになるなど、カスタマイズに対応します。
一点、気を付けたいのは電池持ち。バッテリー容量は1700mAhで、メーカー想定使用だと約1日以上使えることになっていますが、サーボやプロジェクターの利用頻度が高いとそれよりも短くなるとのこと。つまり、「出かけた先で友だちにロボホンを披露すると電池がすぐ切れるから気を付けて!」ということですね。
本体価格はおいくら?
ロボホンの本体価格は19万8000円(以降、価格表記は税別)。「わっ、高い!」と思うかもしれませんが、実はそうでもありません。確かにスマホとして考えると高額ですが、「ロボット」として考えると妥当な値段設定です。
例えば、同じく高橋さんがデザインを担当したロボット「ロビ(Robi)」の組み立て代行版を購入する場合、本体価格は20万円以上します。ほかにも、ソフトバンクロボティクスのヒューマノイド「Pepper」も本体価格は19万8000円です。
月額でいくらかかるの?
また、本体価格以外に、月額料金がかかることも忘れてはいけません。サポートや保証にかかる基本料金に加え、電話として使用する場合には通信プランの基本料金も発生します。支払いにはクレジットカードが必要で、登録対象は日本国内に住居する人になります。
ロボホンで発生する月額料金は下記の3つです。
(1)ココロプラン:980円
(2)モバイル通信サービス:650円~2280円から選択
(3)保守パックサービス:950円~1650円
「ココロプラン」はロボホンを使用するために、必須で加入するプランとなります。Wi-Fiがあるのでモバイル回線は使用しないという人も同様です。
「モバイル通信サービス」は、ロボホンをモバイル回線で使用する場合に必要となります。また、データSIMと音声通話SIMの2種類がありますが、電話機能を使う場合には「音声通話SIM」が必要。どちらも通信量は1GB/月、3GB/月、5GB/月の3種類から選択可能です。開通時には事務手数料として3200円が別途発生。通話利用で20円/30秒が加算されます。
対応バンド帯域については下記の通りです。
●3G:Band1/6/19
●LTE:Band1/3/19
ちなみにロボホンはSIMフリーなのでほかの格安SIMで運用することも可能です。
「保守パックサービス」に加入しておくと、故障した際の修理料金が割引されます。割引額が50%引きになる「ケアプラン50」(月額990円)と割引額が70%引きになる「ケアプラン70」(1650円)の2種類を選べます。
どちらも購入後5年間の保証となり、期間中の修理は何度でも可能。ただし、修理料金の割引は年3回までとなります。また、気を付けておきたいのは、申し込みが本体購入時にしかできないこと。解約後の再加入もできません。
3年間でいくらかかる?
ロボホンは音声通話SIM(1GB/月)で運用した場合、3年間で合計32万720円(※通話代金は別途)が掛かります。ひと月に換算すると、8909円程度+通話料ですね。Pepperが3年間で総額約108万円であることを考えると、3分の1のコストで運用できるロボットは魅力的だと言えるでしょう。
ロボホンは、電話機能が付いていて実用性があり、コンパクトなので持ち運びや保管にも困りません。ロボットを購入してみたい想いはあったが、置き場所や予算の都合で悩んでいた人にとっては、検討の価値がありそうです。
ロボホンの動作イメージを見たい方は、下記の公式サイトでチェックしてみてください。
(文/井上 晃)
スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。
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