枚方T-SITEは、京阪電車の枚方市駅の南口に出ると、すぐ目の前にそびえ立っています。地上8階、地下1階で、総面積は5314坪。メインコンセプトは「食」で、増田社長いわく「半径2km内に住む人や働く人が、毎日のように買い物に来たり、家族や友達と食事を楽しんだりできるデパート」を目指しているそうです。
枚方市は、1983年に「TSUTAYA」の1号店が誕生した所縁の地。関西に住む人は、枚方といえば、まず「枚方パーク」を思い出すのではないでしょうか。枚方市駅から枚方パークまでの道を造成したのは、CCCの増田宗昭社長の祖父が率いた増田組という会社で、枚方パークの遊具も作ったとのこと。この地にT-SITEを作ったことは、増田社長いわく「枚方への恩返し」でもあるそうです。
1Fのテーマは「食 マルシェ」
地元の素材を活かした焼きたてのパンが買える店や、関西初出店のスイーツの店や、深夜1時までワインが飲めるレストランなど、いずれも人気を集めそうなフードショップが軒を連ねています。食関係の本も約8000冊陳列し、バルミューダのトースターなど、話題の調理家電も購入できます。
月額1000円(税抜)で使えるスマホ「TONE」のお店もあります。枚方T-SITEは、スマホを便利に活用できる試みを行うことも特徴。「枚方T-SITE Passport」というアプリをインストールすれば、スマホをTカードとして使えて、枚方T-SITEのレストランを予約できたり、周辺の駐車場の空き状況を調べたりできます。なお、「TONE」を買わずとも、いま使っているiPhoneやAndroidスマホにもアプリをインストールできます。
2Fのテーマは「エンターテインメント」
TSUTAYAを中心とするフロアで、CD・DVDを購入したり、レンタルしたりできます。TSUTAYAの1号店がオープンした時代を意識した、アナログ音源にこだわったコーナーもありました。Apple製品だけを扱うコーナーもあり、ここでiPhoneを購入して契約することも可能。“iPhoneでの上手な写真の撮り方”など、コンシェルジュ(専門知識を持った店員)のレクチャーによる無料イベントなども開催するそうです。
3Fのテーマは「BOOK & CAFE」
蔦屋書店をスターバッスクスコーヒーを中心とするフロア。スタバはオープンスタイルで、フロア内に自由に座れる椅子やソファがたくさんあるので、コーヒーを飲みながら気になった本を読むことができます。「そんなに堂々と“立ち読み”ならぬ“座り読み”をしてもいいの?」と聞いてみましたが、全然OKだそうです。
3Fにはプレゼント選びにも便利そうな、文具のコーナーもあります。さらに「Tトラベル」という旅行の相談ができるカウンターも。関西空港からのフライトが多いLCC・ジェットスターの航空券も購入できるそうです。
4Fのテーマは「暮らしと美容」
ファッションアイテムやコスメ、生活など雑貨が購入できるフロアです。職人さんが作った自然素材の靴下の専門店や、全国から厳選した、こだわりの食器や雑貨など、衝動買いしちゃいそうな商品が並んでいました。
5Fのテーマは「子どもと学び」
子ども向けの書籍や衣服、玩具などが買えるフロアです。無料で遊べる室内遊具が設置されていて、子どもを遊ばせている間に買い物をしたり、テラスでコーヒーを飲んだりできそうです。フォトスタジオや英会話スクールもあります。
6Fと7Fは銀行のフロア
6Fには三菱東京UFJ銀行、7Fにはりそな銀行があります。つまり、8階建ての2フロアを銀行が占めているわけです。増田社長いわく「メインターゲットであるプレミアエイジ(シニア世代)が資産運用などを相談できる場所」を提供する意図があるそうです。一般的な銀行とは異なり、ホテルのロビーのようなインテリアで、じっくり相談できる個別のブースなども設置されていました。
8Fにはレストラン
8Fにはレストランが3店出店しています。どの店も広いテラス席があり、枚方市の景色を眺めながら食事を楽しめます。また、レストランを利用せずとも利用できるテラスや喫煙所も設けられています。
なお、地下1階には今夏、生鮮食料品を扱うフードマーケットがオープンするとのこと。そこにも有名専門店が出店し、コンシェルジュに相談しながら買い物を楽しめるそうです。
枚方市界隈に住む人にとっては、頻繁に利用できる“地元密着型”のデパートになりそうですが、大阪や京都に出張や旅行で訪れた人も足を延ばす価値はあると思いますよ。ほかのデパートでは買えない関西のお土産が見つかるかもしれません。京阪電車に乗れば、京橋(大阪)から14分、丹波橋(京都)から18分ほどです。
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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