明治6年創業の三星刃物と世界的ナイフビルダー原幸治氏、関市を拠点とする刃物のプロ同士がタッグを組み、アウトドア向けとして本気で作ったナイフが「Northern Land」です。
スペックはブッシュクラフト上級者も納得の内容。
ブッシュクラフトから料理までこなせる4mmの刃厚。バトニングするなら必須条件のフルタング(刃とハンドル部分が一体化している)。そして断面を見ると、刃先にかけて弧を描くように鋭くなっていく形状の、バトニングなど刃に負担が掛かる作業に向いたコンベックスグラインド。
ブレードの鋼材には、ハードに使われることを想定し、切削工具によく使われるハイス鋼(SKH51)を使用。ただハイス鋼は、切れ味は素晴らしいが炭素鋼ゆえ錆びやすい。そこで、不変性、耐腐食性、硬度、低摩耗係数を実現できるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングで表面処理。この結果、カーボンブラックらしい美しく黒い刃が生まれました。
さらに、見た目の特徴にもなっている二段階グリップ式ハンドルを採用。バトニングなど強く握らなければいけない場合はハンドル部分をしっかり握り、料理やフェザースティック作りといった細かい作業をする場合はブレード付け根にある窪みに人差し指を掛ける。このふたつの握り方ができることで、あらゆるシーンで使えるナイフになっています。
そしてデザイン的にも握りやすさの面でも「Northern Land」の最大の注目点となっているハンドルは、世界的ナイフビルダーとして数々の受賞歴を持つ原幸治氏の手によるものです。
まるで等高線のようなダブルブラックキャンバスマイカルタを使った“エアステップ”と、竹をイメージしてデザインされた指にしっかりフィットするスペイン製特殊強化木を使った“バンブー”。どちらも原幸治氏の代表的なハンドルデザインです。
ナイフ界では知らない人はいない原幸治氏ですが、いつもは一点モノのフルカスタムナイフを製作しています。しかし自社ブランド包丁「和 NAGOMI」を展開し、世界有数のマルチツール「レザーマン」の代理店も手掛ける三星刃物が持つ量産化のノウハウが加わったことで、“セミカスタム”とも言うべき製作体制に。
鋼材の研磨やハンドル加工の一部を三星刃物などが担い、デザインと刃付けを原幸治氏が手掛けることにより、決して大量とは言わないまでも、ある程度の数量を確保し、このレベルのナイフでは考えられない価格を実現しています。
自分の手に馴染んでくれるナイフに出合えることは幸せなことです。使い方を間違うと危険な刃物だからこそ、使い込むほどにまるで手の延長のように自在に操れるナイフの存在は貴重でもあります。「Northern Land」は、そんな“相棒”になる可能性を秘めたブッシュクラフトナイフかもしれません。
現在、Makuakeにて先行販売中です。
>> Makuake
<文/円道秀和(&GP)>
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