安全に5.1K動画撮影できる「DJI Mavic 3」が空撮のスタンダードになる?

DJIの数あるドローンのなかでも、この「Mavicシリーズ」は、折りたたんで持ち運べる携帯性の良さが人気のモデル。スマホレベルの小ささを実現したエントリー向けの「Mini」、軽さが魅力の「Air」など、さまざまなタイプが顔を揃えています。


この秋登場の「Mavic 3」は、シリーズの中でも最上位機種として位置づけられるハイエンドモデルの3年ぶりとなるリニューアルモデル。フラッグシップの名にふさわしく、あらゆる機能において大幅なグレードアップが図られています。

まずは肝心の撮影機能から。今回採用しているのは、スウェーデンの名門カメラメーカーHasselbladとの共同開発によるデュアルカメラシステムです。専用設計のL2D-20c空撮カメラには、焦点距離24mmのレンズを使ったプログレードの4/3型CMOSセンサーを搭載。12-bit RAWフォーマットでの20MP静止画撮影、5.1K/50fpsと4K/120fpsでの動画撮影を実現します。

またふたつめのカメラとして、焦点距離162mm・28倍ハイブリッドズーム対応の望遠カメラを搭載。さらに今回のモデルではビジョン検知オートフォーカス技術(VDAF)を新たに採用することで、フォーカススピードのさらなる向上を実現しています。

もうひとつ大きなポイントとしてあげたいのが、最大200m先の障害物まで検知できるという、全方向障害物検知システムです。複数の広角ビジョンセンサーを搭載し、さらに高性能の視覚情報計算エンジンと連携することで、あらゆる方位の障害物を正確に検知。複雑な環境下でも障害物を回避しながら、安全な飛行ルートを自動的に確保できます。

またこの全方向障害物検知システムにより、撮影対象物に追随するトラッキング機能“ActiveTrack”の機能も大きく向上。これまでは動いている被写体の前後や側面を飛行しながらのトラッキングなど、被写体そのものの動きに追随するだけでしたが、新しくなった“ActiveTrack 5.0”では被写体の前後、左右、斜めの動きに合わせたトラッキングや、動いている被写体の側面や周りを飛行しながらのトラッキングも可能もできるように。

被写体が一時的にカメラからフレームアウトしてしまった場合でも、機体に搭載されたビジョンセンサーが被写体を捉え続け、被写体が再びフレーム内に収まるようトラッキングを続けてくれるというから驚きです。

さらにドローンそのものの飛行性能と電力消費に関わるあらゆる要素を再設計することで、最大飛行時間を46分まで延長。同時にアームやボディ、ジンバルの形状にも航空力学の原理を取り入れながらリデザイン、風圧抵抗性能や飛行速度も大幅に改善されています。

なお今回発売されるのは、「Mavic 3 標準版」(25万3000円)、「Mavic 3 Fly More コンボ」(34万1000円)、「Mavic 3 Cine Premiumコンボ」(58万3000円)の3モデル。

▲「Mavic 3 標準版」

「標準版」は機体にバッテリーや送信機、充電器などがセットされたベーシックなセットで、「Fly More コンボ」はさらにスペアのバッテリーやプロペラ、バッテリー充電用ハブが付いた長時間撮影に向くセット。一方「Cine Premiumコンボ」は、Apple ProRes 422 HQコーデックに対応、1TB SSDを機体に内蔵するモデル。高度な撮影やスムーズな編集を求めるハイエンド志向のユーザーに向くモデル。

もちろん価格を考えるとなかなかおいそれと手が出ませんが、それでも個人用ドローンでこれだけの性能が搭載される時代になったことにはひたすら驚き。空撮の映像クオリティのスタンダードが一気に塗り変えられるかもしれません。

>> DJI「DJI Mavic 3」

<文/&GP>

 

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