ルービックキューブとはハンガリーの建築学教授、エルノー・ルービックが1970年代に考案した立体パズルのこと。縦横それぞれに3分割された立方体を回転させながら、6つの面の色をそろえていくというルールは単純にして奥深く、さらにカチャカチャ回す手応えの心地よさもあり、社会現象レベルの熱狂を全世界に呼び起こしました。日本には1980年に初上陸するや大流行。初年度だけで400万個を売り上げたという伝説的な玩具です。
一方、今回メガハウスから発売される「工芸ルービックキューブ」ですが、これは“時代を超えて受け継がれるべきものに触れ、人が本来持ち備えている感性を呼び覚ます”をコンセプトとしたもので、世界の誰もが知るルービックキューブに、日本の伝統工芸を融合させようというユニークかつ意欲的なコレクション。そのシリーズ第一弾が、今回発売された「九谷焼 五彩」というわけです。
ご覧の通り、キューブ側面のタイルに使われているのは石川県加賀地方の伝統工芸である九谷焼。もともと九谷焼の絵付けには、“九谷五彩”と呼ばれる緑・黄・紫・紺青・赤の5つの色が使われているのですが、今回発売されたルービックキューブではこの5色に白を加えた6色で構成されています。
タイルを製作しているのは創業80余年の九谷窯元・木田製陶。九谷焼のなかでも特に置物の産地とされる八幡エリアにて、干支などの縁起物や蓋物の素地工程を担う陶工として、精緻な造形技術を代々受け継いできた企業です。
本体サイズは62×62×62mmで重さは約153g。キューブに使われているタイルは一般的な九谷焼と全く同じ工程で作られたもので、とりわけ最後のペーパー仕上げは熟練の職人だけがなせる技だそう。手にした時の重さや釉薬のひやりとした感触、しっとりと手になじむ心地よさなどは、通常のルービックキューブとは全く違うもの。
美しい彩りからして、玩具というよりは見て触って楽しむ美術工芸品に近いものかも…。ということで、専用パッケージにはシリアルナンバーの入ったプレート付き。三角形のスリットを備えたブラックミラー天板にキューブを差し込めば、ディスプレイ台としての役割も果たします。6面きっちり揃えた状態で飾るのもいいけれど、あえて色を揃えず自分好みの配色でディスプレイする、なんてのもよさそうです。
製作作業はすべて手作業ゆえ、事前オーダーした人だけが手に入れることのできる完全受注生産品。11月19日よりプレミアムバンダイのサイト上で予約受付をスタート、完成品は2022年2月から順次発送を予定しています。
>> 工芸ルービックキューブ
<文/&GP>
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