「世界最高級の腕時計を」との決意の下、グランドセイコーが産声をあげたのは1960年。正確さと美しさ、見やすさ、さらには長く愛用できて使いやすいことを時計の本質ととらえ、飽くことなく追求し続けるグランドセイコーは、日本が世界に誇る真のマニュファクチュール。そのデザイン文法を具現化するものとして登場したのが、1967年に発表されたアイコニックなモデル「44GS」だ。
この「44GS」が体現しているのは、「平面を主体として、平面と二次曲面からなるデザイン。三次曲面は原則として採り入れない」「ケース・ダイヤル・針のすべてにわたって極力平面部の面積を多くする」「各面は原則として鏡面とし、その鏡面からは極力歪みをなくす」という3つのデザイン方針、さらに「他のインデックスの2倍の幅を持つ12時インデックス」「多面カットのインデックス」など9つの細かなデザイン要素。これらは伝統の“セイコースタイル” としていまなお受け継がれているものだ。
さて翻って、今回発表された「44GS」55周年モデル第一弾。これは“セイコースタイル” が世に知られるきっかけとなった2014年発表のメカニカルハイビートGMTキャリバー搭載限定モデルをベースに、新たな仕様を施したもの。
ブライトチタンを用いたケースのサイズは直径40.0mm。ムーブメントには最大55時間のパワーリザーブ、静的精度で平均日差+5~-3秒という高精度を誇る自動巻きメカニカルムーブメント キャリバー9S86を搭載。
ダイヤル周りのデザインは2002年に発売されたグランドセイコーGMTモデルの開発段階で検討されていた仕様を新たな解釈のもとで具現化したもので、伝統のホワイトダイヤルにルミブライトを塗布したブルースチール製のGMT針を配することで、高い視認性を確保している。
またぜひ注目したいのが、シースルーバックになった裏ぶたから覗く特別仕様のチタン製回転錘。陽極酸化処理によって生まれた金色の輝きは55周年という記念すべき年を祝福するもので、前述の2014年発表モデル以来8年ぶりの復活となる。金属を電気分解して酸化膜を生成するというプロセスの中で生まれた独特の黄金色には、メッキ加工とはひと味違った深みのある表情が潜む。
グランドセイコー ブティックオンラインにて12月10日より先行発売をスタート、追って2022年1月14日よりグランドセイコーブティック、グランドセイコーサロンおよびマスターショップにて取り扱う。
>> グランドセイコー
<文/&GP>
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