ライトな色味で遊んだレザーシューズは他に無いこともないが、名門が本気で作っているところに価値がある。作り込みのレベルはさすがのひと言。エレガントな雰囲気もたっぷりだ。
J.M.Westonは1891年創業の老舗。すべてのラストを職人が手作業で作り出し、素材となる原皮はフランス最高のタナリーから150種にわたって厳選して仕入れている。コンストラクションは伝統のグッドイヤーウエルト製法を遵守。いずれも名門の看板に恥じないこだわりようだ。
ブランド名はいかにも英国的で、ブリティッシュトラディショナルを思わせるデザインを得意としているが、これはかつての職人が英国で修業した歴史があるためだ。英国伝統の靴作りの技術を生かしながら、しかしフランスブランドならではのエスプリも利いているのが同社のシューズの特徴である。
このLe Mocもしかり。履き口を別色のスムースレザーでトリミングするなど、ちょっと力を抜いたデザインバランスの妙が、いかにもフレンチシューズらしい。
Le Mocは厚みのあるレザーを使っているため、芯材を使わずに形状保持を可能にしている。インソールも1枚革なので、履き心地は素足感覚に近い。またレザーソールのヒール部分は低く設定されており安定感がある。ソール前部にはラバーを取り入れておりグリップ力も十分に備わっている。機能性も言うことなしだ。
カラーは、シボのある柔らかなグレインレザーを使ったタイプにアクアブルー、クリームホワイト、タバコブラウン、ウォーターブルー。カシミアのようななめらかなスウェードを使ったタイプにブラッドレッド、ハバナブラウン、ナイトブルーをラインナップ。
J.M.Weston
Le Moc(ル・モック)
グレインレザー(アクアブルー、クリームホワイト、タバコブラウン、ウォーターブルー)
スウェード(ブラッドレッド、ハバナブラウン、ナイトブルー)
各8万3160円
生産国/フランス
J.M.Weston青山本店ほか、日本橋高島屋、三越日本橋本店、伊勢丹新宿店、高島屋大阪店などで販売中
(文/高橋政喜)
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