貴重な55年モノ限定国産シングルモルト。そのお値段は?

元々日本酒を製造してきた若鶴酒造がウイスキーを手がけるに至った経緯を辿れば、話は終戦当時まで遡る。戦後の食料難に伴う酒造米不足から満足に清酒が造れないことに頭を悩ませた二代目社長・稲垣小太郎が、統制外の菊芋に目をつけて蒸留酒の製造に乗り出したのがきっかけ。

1952年にはウイスキーの製造免許を取得、いよいよ生産体制が整った1953年5月、火災により工場を焼失するという不運に見舞われるが、小太郎のもと、社員と地域の住民が一丸となり見事に復興を果たしたという。
 
この復興にあたり、当時としては最新鋭の設備であるフランス・メル社のアロスパス式蒸留器を導入、これを用いて1960年に蒸留されたシングルモルトウイスキーこそが、今回発売の「三郎丸1960 シングルモルト55年 カスクストレングス」というわけだ。
 
「三郎丸」とは、同社が1890年より酒造業を営む富山県砺波市の地名。この土地の持つ豊かな自然と地域の人々の温かい支えに対する感謝を込めて命名されたものだ。またボトルには“富山の売薬”で知られる薬瓶製造をルーツとする富山ガラスの技術を、ラベルには五箇山の和紙を、箱には九谷焼をはじめとする美術品の保管に用いられてきた上質桐箱を、結び紐には真田幸村の武具甲冑で広く知られる真田紐をそれぞれ使用するなど、土地と歴史にまつわるリスペクトがふんだんに散りばめられている。
 
何しろ貴重な55年物、価格は700mL入りで59万4000円。販売数量は155本だが、このうち50本を同社ホームページ内特設ページで抽選により先行発売する。申し込み期間は7月1日から19日23:59まで。
 
(文/&GP編集部)

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